つぶやきコミューン

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ヤマザキマリ×とり・みき『プリニウス 察

JUGEMテーマ:自分が読んだ本 文中敬称略

 

ヤマザキマリとり・みき合作の『プリニウス』も7巻。いよいよ山場を迎える。

 

巻頭をカラーで飾るのは、ローマの大火。石造りの建物ばかりなら、火事で焼け落ちることも少ないと思われるが、当時のローマは木造の建築物も多く、よく燃えたらしい。一体、誰の仕業なのか。

 

主神ユピテルの仕業なのか。

皇帝ネロは、ユピテル像の前で狂ったように、

ーそうだっ燃やせ!!何もかも燃やし尽くしてしまえっ。この大火でローマは再生する!!

と声を上げる。

 

(『プリニウス察p29)

 

哲学者セネカは、ティゲリウスに対して、

ーお前さんの仕業じゃ…なかろうな?

と口にする。

ネロの叫びを聞いたローマの民は、

すべては皇帝の企みと言い始める。

そして、廃墟と瓦礫の山と化したローマの街中ではさらに放火犯が跋扈する。

キリスト教徒の仕業であると噂する者もいる。

はたして、事の真相は?

 

そのころ、プリニウスの一行は、ローマの騒乱から遠く離れてカルタゴの地にあった。

総督プリニウスに、書記のエウクレス、護衛のフェリクス、謎の子どもと、カラスのフテラ、猫のガイアと名無しのロバからなる一行だ。

彼らの元にも、ローマの大火の報せは伝わる。

一人取り乱すのは、家族をローマに置いてきたフェリクスだった。

 

そして、カルタゴからさらに先のエジプトの地で、広大な砂漠の先に、彼らを待ち受けるのは、クレタ島のクノッソス宮殿が模したと伝えられる巨大な迷宮、ピラミッドだった。

 

ピラミッド内部のダンジョンを、インディージョーンズよろしく、迷い進むうちに、彼らを墓荒らしとみなした追手がかかる。だが、前にたちはだかるのは、無数の蛇。そして、巨大なワニの棲む地下の湖だった。絶体絶命のピンチに立ったプリニウス一行の運命やいかに?

 

(『プリニウス察p151)

 

あたかも狂気が支配するローマを遠ざけるように、アフリカの旅を続けるプリニウス。王妃ポッパエアがネロの無実を証明するため、放火の下手人をあげようとしたあたりから、雲行きが怪しくなる。陰謀は陰謀を呼び、漁夫の利を得ようとする者、闇から闇へと消される者、密告する者、冤罪を受ける者… ローマは輝かしい栄光を捨て、汚濁の中にその歴史を刻もうとしていた。

 

『インディジョーンズ 魔宮の伝説』なのか、『アラビアのロレンス』なのか、はたまた『ベンハー』なのか『クオ・ヴァディス』なのか。無数のハリウッド映画の世界をも反響させ、史実と荒唐無稽なフィクションを絶妙にブレンドしながら、精緻なタッチで極北の漫画を描き続けるのが、『プリニウス』なのである。

 

関連ページ:

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