つぶやきコミューン

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出水ぽすか・白井カイウ 『約束のネバーランド』(1〜9)

JUGEMテーマ:自分が読んだ本  文中敬称略

 

 

『約束のネバーランド』の世界

 

『約束のネバーランド』は、白井カイウ原作、出水ぽすか漫画によるコミックである。2016年より少年ジャンプに連載され、今まででコミック単行本は9巻まで刊行されている。

 

進行中の物語の全体を、完全にネタバレを回避しながら、語ることは不可能である。次の巻の初期設定には、その前の巻の帰結が含まれるからだ。できるのは、その物語の中で生じる問いのみを語り、それに対する答えを空白にすることくらいだろう。ここでは、1〜3巻のあらすじと、9巻の前半の流れを、中途の経過を空白にしながらまとめることにする。

 

 その孤児院には38人の孤児たちが幸せに暮らしていた。母と慕われるイザベラ、子どもたちも優秀で、日々ハイレベルな学科試験を課されていたが、それを易々とクリアし満点をとる三人の子どもがいた。エマノーマンレイ

 

だが、それは見かけにすぎなかった。ある夜、里親の元へと送り出されようとした子が忘れたぬいぐるみを届けようとしたエマとノーマンは、その子が、惨殺された姿を見てしまう。そして、この施設が実は、鬼と呼ばれる異形の者たちの食用に子どもを育てるファームであったことを知るのだった。

 

恵まれた教育環境も、実は心身が健全に育った子供ほど、高価で取引きされるためだった。どんなに優秀であっても12歳になると強制的にみな出荷されてしまう。出荷される前に、この場所を逃げ出さねばならない。そして、それまでは悟られないようにしなくてはいけない。

 

しかし、すべての子どもを連れて逃げるのは至難の業だ。少数で逃げようと主張するノーマン、そして全員で逃げるべきだと自説を曲げないエマ。

 

刻一刻出荷の時期は迫っていた。そして、この秘密を知ることになったレイは?

 

そんなおり、機先を制するように、新たな女性クローネがメイドとしてやってくる。彼女の役割は、もちろん子どもたちの監視だった。けれでも、その陰で彼女はエマたちに協力を持ちかけるのだった。さらに、子どもたちの中に内通者が紛れ込んでいる疑惑が生まれる。

 

戸外での遊び時間を利用して、子どもたちは脱走の訓練を積む。はたして彼らこの施設から抜け出すことができるのか。

 

そして、外の世界で無事に生きのびることができるのか。頼りになるのは、図書館の本の中に、暗号として示されたウィリアム・ミネルヴァという人物のメッセージだった。そこに書かれた場所へ行けば、何とかしてもらえるにちがいない。そんな一縷の希望を抱きながら、エマ、ノーマン、レイは、逃亡の準備を進めるが、ノーマンの出荷の時期は目の前に迫っていた…

 

『進撃の巨人』同様、『約束のネバーランド』が描き出すのは、この社会のグロテスクな陰画である。最も愛し、信頼できるはずの保護者が、実は敵であった。もはや、ホームは安住の地ではない。身につけた知識や能力も、市場で自分たちの商品価値を高めるためのものにすぎなかった。しかし、この知識や能力をフル動員しながら、自分たちの残酷な運命から逃れようとするのである。

 

外の世界は、より怖ろしい敵が跋扈する弱肉強食の世界であるが、そこには自由がある。そして、出会えるかどうか確かでないが、味方もいる。敵のように見える味方もいれば、味方のように見える敵もいるだろう。それを見分けながら、相手の思惑を知りつつも逆にそれを利用しながら、したたかに生き延びてゆくしかないのである。

 

そして第9巻で世界は動く

 

第9巻の冒頭では、外の世界に出たエマとレイは、ウィリアム・ミネルヴァの示した約束の場所に向かおうとして、はぐれてしまう。エマのみが、鬼たちの餌場である街へと迷い込んでしまったのだ。そこは、一定の時間だけ、人間が鬼によって狩られる街だった。そこで、エマは、鬼の支配に抵抗する若者たちへと出会い、合流する。

 

そこで、ウィリアム・ミネルヴァの正体も、世界の数々の謎も解き明かされるのだった。どうすればよいのか、その指針を得たエマたちは、鬼たちの支配から逃れるために必死の戦いを挑むことになる。敵は、動物のように本能のまま暴走する鬼ではなく、人間の言葉を解し、文明を持った手強い知性鬼だ。

 

ル―チェ、双子のノウスノウマ、重鎮のバイヨン、そして、最強の敵、レウウィス

 

相互に相手の手の内を読みながらの知能と武器を駆使した壮絶な戦いが始まろうとしていた…

 

neverland

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