いつだって…
銃とナイフと先生がいた
…これが僕等の答えだ
僕等は殺し屋 標的は先生
絆を守って卒業するために
恩師に対してすべき事
皆が痛いほどわかっていた
松井優征『暗殺教室』もいよいよこの20巻で最大のクライマックス、「卒業の時間」を迎える。
殺せんせー包囲網を突破して、ようやく殺せんせーとの再会を果たした3年E組の生徒たちだが、旧交を温める間もなく、その前にたちはだかる最大の刺客は、かつて殺せんせーの正体であった殺し屋「死神」の弟子二代目死神と、殺せんせーを実験材料にした科学者柳沢だった。しかも、二人とも触手細胞を埋め込む改造によって、常人をはるかに超える能力を持ったモンスターに変貌していた。
特に二代目死神の改造は、殺せんせーよりも強力でその基礎能力は二倍、長期使用を度外視した設計ゆえに、マッハ40の速度で移動ができるという優れもの。経験とテクニックでかわす殺せんせーだが、見る見るうちに劣勢に追い込まれてしまう。
さらに、彼らは3年E組の生徒たちを人質にとろうとする。
殺せんせーは自らその間にたちはだかる。
自分たちが殺せんせーの弱点になることに耐えられず、動き出した生徒茅野カエデ。
かつて触手を植え込まれていたとは言え、今は普通人の身体しか持たない彼女の臓腑を二代目の触手は易々と貫いてしまう。
見る見るうちに、怒りで真っ黒に変わる殺せんせーの表情、だが逆転の可能性はあるのだろうか。
熾烈をきわめた戦いの後、生徒たちは暗殺教室を卒業しなくてはならない。
その選択は、あまりに辛いものだった。
このラストシーンを、作者松井優征は連載開始時からイメージしていたという。それだけに、それまでに溜めに溜めたエネルギーが一気に放出され、涙なしには読めない。『暗殺教室』は、あと1巻続くものの、21巻はほとんど消化試合のようなものである。大どんでん返しはそこでは生じない。だが、この20巻は永久保存版だ。
関連ページ:
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松井優征『暗殺教室 11』
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松井優征『暗殺教室 6』
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