つぶやきコミューン

立場なきラディカリズム、ツイッターと書物とアートと音楽とリアルをつなぐ幻想の共同体
<< July 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
@kamiyamasahiko
MOBILE
qrcode
PROFILE
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
ラルフ・ミレ―ブス『バイコヌール宇宙基地の廃墟』
JUGEMテーマ:自分が読んだ本 文中敬称略


期間限定でラルフ・ミレ―ブス『バイコヌール宇宙基地の廃墟』のKindle版が300円だったので、思わず購入。構図の取り方、レンズのよさ、解像度と三拍子そろったクオリティの高い写真集である(解説は英文と日本語訳が併記)。

バイコヌール宇宙基地は、カザフスタンに位置し、1980年代のソ連崩壊前夜にアメリカのスペースシャトル計画に刺激され、つくられたソ連版シャトルであるブラン計画のための基地がある。そこには、20年経った今でも、建造されたブランやシャトルを宇宙まで運ぶロケットエネルギアが格納庫の中にそのままに残されている。

ソ連版スペースシャトル、ブランは実はアメリカのスペースシャトルの設計をそのまま下敷きにしているため、外観、サイズともそほとんど同じである。1988年に一度の試験飛行にも成功したが、その時は無人運転で、実は内装は未完成だったという。しかし、内装を完成させ、さらなる試験飛行を有人で行うだけの情熱も経済的な余裕はもはやソ連にはなく、そのまま放棄されたのであった。

この写真集の大半は、ワイドレンズ中心の構図で、格納庫内に収められたシャトルやロケットが前後左右、上下から収められているが、それらは様々なコミックや映画で見たことのある格好いい構図で撮られている。しかし、表面の風化、素材の劣化が漂うことで、何とも言えない無常観と悲哀を感じてしまう。漫画家やイラストレーター、ゲーム制作者には最高の資料となるだろう。

このようなスケールで、このような廃墟が、当時の宇宙船ともどもそのままに残されているのは、現代の奇蹟である。いずれ、軍艦島のような世界産業遺産に指定されるか、テーマパークにされるかもしれないが、過剰な装飾や脚色のないこのままの姿が一番よいことは言うまでもない。

 
コメント
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://mkamiya.jugem.jp/trackback/606
 

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.