つぶやきコミューン

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二ノ宮知子『87CLOCKERS 8』
JUGEMテーマ:自分が読んだ本  文中敬称略



オーバークロックの世界に生きる若者たちを描いたラブコメ群像劇二ノ宮知子『87CLOCKERS』も後半戦に入る。

自らの力で富豪となったヒッキーこと火切俊充のバックアップによって、もはやハナのサポートが要らなくなったMIKEは、ハナと決別宣言。

そして、MIKEに捨てられたハナは、一ノ瀬奏とともに、列車で海への逃避行。

さらに、奏の家に身を寄せ続けるハナは、奏のオーバークロックのサポートに過剰なまでにのめりこみ、奏はついに睡眠不足のまま窒素を吸い過ぎて、意識不明に。

寝込んだ奏のもとを訪れたジュリアは、ハナへのライバル心を刺激されて、ベッドの中に潜り込む。そこへハナが外出から戻ってきて…と五角関係は一層複雑にもつれてゆく。

万全のバックアップ体制を手に入れたはずのMIKEだが、アキバに行ってもハナなしでは望みのパーツを以前の値段でもはや手に入れることができない。そして、ヒッキーは過剰においしいものをMIKEに与え続けて、MIKEのオーバークロックも精彩を欠くようになり、さらに肝心な時にアメリカにいて、役に立たない。ハナに別れを告げたのは、MIKEなりの余裕と思いやり産物のはずだったが、その計算も狂いっぱなしである。

奏はというと、MIKE同様奏のサポートもするというヒッキーの誘惑は斥けて独立路線を歩み出し、MIKEからもライバル視されたことに喜びを感じる。ハナと自分の距離が縮まったことも喜びとするが、彼女が自分に過剰に入れ込み干渉することも、逆に自分が巻き込んだ奏のオーバークロックを終わらせようとすることもよしとしない。奏は奏で、恋とオーバークロックは別の世界の話になったのだ。

ジュリアはというと、自分が仕込んだはずの奏にあっさり先の世界に行かれ、それ以上並走することは不可能と思いながら、男としての奏をあきらめる気にはならず、未練たらたら。

よくもこれだけややこしい感情のすれ違い、人間模様を作者は描きあげたものである。

そこで、一ノ瀬家に身を寄せたハナの元に現れたハナの両親。長野の実家に引き戻そうとする両親に対し、ハナは爆弾発言をする。

そして、そのとき奏は?

どうにも心のざわざわが止まらない『87CLOCKERS 8』である。

関連ページ:
二ノ宮知子『87CLOCKERS 7』
二ノ宮知子『87CLOCKERS 5』
二ノ宮知子『87CLOCKERS 3』
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