つぶやきコミューン

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堀江貴文責任編集『堀江貴文という生き方』
JUGEMテーマ:自分が読んだ本  文中敬称略



 
堀江貴文責任編集『堀江貴文という生き方』(宝島社)は、堀江貴文へのインタビュー、堀江とひろゆきの対談、勝間和代や小田吉男ら堀江に関する諸氏の人物評、その他から構成された、堀江貴文の現在の活動をつぶさにとらえたムック的な書籍である。

立場のいかんにかかわらず、多くの人が堀江貴文に魅せられる、少なくとも無視しがたいと感じる。それは何によるものかというと第一にまずスピードだ。頭の回転の速度だけではなく、思いついたことを現実に変えるまでのスピード。二ノ宮知子のコミックに『87CLOCKERS』という作品の中で、PCのクロックアップを世界レベルで競い合う若者たちの姿が描かれているが、ちょうどそんな感じで、日々の生活の中で堀江貴文は、ビジネスのみならず、ライフスタイルそのもののクロックアップをはかろうとしているーそれがこの本の中の数々の企画にも一貫している。

これを言い換えると、堀江貴文は、自分自身に対する限界、リミットを極力設けないということになる。人間は自分の本来の能力のはるか手前に限界を設けてしまいがちだ。だから、潜在能力のほんの3、4割程度しか発揮できない人がほとんどである。そんなレベルでは、到底モノになるレベルまで何かを極めたり、ビジネスとして軌道にのせたりすることは難しい。どんどんと自分のリミッターを外していると自分では考えている人でも、堀江に言わせると、自分で限界を設けているということになる。マイルドヤンキーも、見かけに反して、ちっぽけな自分の世界から踏み出そうとしないもったいない人生を過ごしている人たちにしか見えない。

リミッターを外すためには必要なのは、ゲームであれ、漫画であれ、とことんはまることだと堀江は言う。しかし、オンリーワンの境地に達する前に、みんな普通の生活をしようとして、標準的なレベルにとどまって差がつかないのである。

  あらゆるしがらみや人間関係をふりきってでも、ハマってしまうぐらいじゃないと、本当の面白さは見えてこない。さらに言うなら、それぐらいハマれるものに、出会っていないのだ。p44

もう一つ、堀江貴文の能力の中で顕著なのは、自分が経験したことのない業種、職種を理解する能力、ビジネスの異種格闘技戦的能力が特に高い点である。異なる業種でのほんの小さな経験ーたとえば『クリスマスキャロル』というミュージカルを演じることで、それをレバレッジとして一気に芸能ビジネス全体を把握し、次なるビジネスの創出に結びつけている。そのように、多くの異なる業界でのアイディアやトラブルの相談にも、臨機応変に応じることができるのである。

『堀江貴文という生き方』でも、特に力を入れているのがこの第三の多業種展開能力だ。もちろん、ライブドア時代で多くの系列企業を経営したことで、そのビジネス全体を地図として把握していたが、直接接して情報を直に得る人の数がネズミ算的に増える中で、多くの職種で何が起こっているかの把握能力も長けているし、それが直ちにビジネスとして現実化しているのを目の当たりに見るはずである。

「堀江貴文の現在進行形ビジネス」でも、トークライブアプリの755、グルメアプリのTERIYAKI、キュレーションメディアのHORIEMON.COM、サロンから発展した会員制コミュニティ、堀江貴文イノベーション大学校、有料メルマガの堀江貴文のブログでは言えない話、マンガHONZと並行して手がける漫画新聞、宇宙開発のインタステラテクノロジズなど、様々な業態が紹介されている。

そうした中で、堀江が最近のトレンドとして抽出したものは、メジャー度と収入で四つのマトリックスを作った場合、メジャーで高収入をA(右上)、メジャーで低収入をD(左上)、マイナーで高収入をB(右下)、マイナーで低収入をC(左下)とした場合、インターネットの活用によって、CからBへと行く方がDからAへ行くよりも簡単だという点である。

  Aを目指すのは、ギャンブル性が高すぎるのだ。うまく行くためには、自分の努力以外の要因に、振り回されすぎる。自分の意志のコントロールで、ビジネスチャンスをつくっていける、C→Bモデルの方がこれからの時代は安定的だと考える。p21

またかつてトップスターとして輝いたものが、いったん収入がなくなっても、このやり方によって(A→D→C→B)再び収入を確保することができるとするのである。紅白落選以降の小林幸子の戦術をその例として挙げている。

ひろゆきとの対談の中で、特に面白いのは、堀江の自己評価といろゆきの評価のずれの部分だ。成功の方法としては、成功するまで継続するしかないが、失敗を覚えていないという点が成功までの継続の原動力になっている。

俺だって、いろんなこと試してうまくいってないことの方が多いと思うんだよ。単に忘れてしまっているだけで(笑)。p94

勝間和代の堀江貴文評の中では、堀江には人の嫉妬や悪意に対する認識能力が弱いというが、これは一連の騒動とメディアやその業界人のアンフェアな取材姿勢、検察の手段を選ばない取り調べなどを通じて、個別の業種やメディアに関しては、かなりの警戒心を持つようになっていると思う。ただ、それを一般の人にまで拡大しないだけだ。

最初に述べたようなここに集められたのは、堀江貴文の現在形のキュレーションであり、三年後、五年後、十年後になれば、コンテンツの中身はまるで変っているはずである。聞いたこともないアプリを使い、聞いたこともないサービスを繰り広げ、聞いたこともない会社をいくつも経営したり、それまで無縁であった分野に進出しているかもしれない。

堀江貴文とは、2010年代を生きる人間の、活動速度の最大値の一例なのだ。

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