つぶやきコミューン

立場なきラディカリズム、ツイッターと書物とアートと音楽とリアルをつなぐ幻想の共同体
<< March 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
ARCHIVES
RECENT COMMENT
@kamiyamasahiko
MOBILE
qrcode
PROFILE
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
堀江貴文『本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方』
JUGEMテーマ:自分が読んだ本  文中敬称略


なぜ堀江貴文の本を読むのか。ホリエモンになるためではない。

より自分らしくなるためだ。

その意味で、『本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方(SB新書)は堀江貴文の中でも、ベストの本である。

第一に物事をよりシンプルに考えるため。

一見難しそうに見える問題でも、単純にしてくれる。

第二には行動へと自分を駆り立てるためだ。

年をとってくると、面倒くさいという気持ちが大きくなって、20代、30代にはやれていたことができなくなる。何らかの言い訳が必ず自分につきまとう。一見もっともらしく見える理屈。それは無意識のうちに蓄積された心の澱(おり)のようなものだ。

そんな心の澱、残りカスを取り除けば、自分の本音が見えてくる。そして、行動への動線も見えてくるのだ。

堀江貴文の考え方は、実存主義の哲学者サルトルに似ている。サルトルもまた、うだうだ考える前に行動してしまえば、それが次の自分になると言った(「実存は本質に先行する」)。そして、無意識のうちに選択しながら、別の世界に生きているような幻想を持つことを「自己欺瞞」と言って攻撃した。堀江貴文もすべてはトレードオフであり、何かを選ぶことは何かを捨てることだと言っている。

それは多分、バカになることに通じる。

心の中で、自分の本音を隠したり潰したりする内なる敵をつくるのが、小利口ということだ。

そういう意味では、バカほど、強いものはない。

本音と行動の間に距離が、タイムラグがないからだ。

そしてチャレンジの場数が、無駄な情報である知識ではなく、体験に即した知恵になる。

人生は限りがある。ベストな生き方をしようとすれば、自分で何でもやることをあきらめる必要がある。他人に任せることができない限り、大きなこともできないし、やりたいことだけをやって生きることもできない。そう、『本音で生きる』の大きな柱の一つは、アウトソーシングの勧めなのだ。

前半は、ほぼ同じこと、本音で生きろ、無駄なプライドを捨てろ、自分への言い訳をするな、ノリが大事と、背中を押すような勢いのある言葉が書いてある。一貫している。一寸のブレもない。

そして、後半は具体的な知恵について、スマホ、ランニング、ギター、ゴルフなどいろいろな分野の話に振り、読者を飽きさせないように書いてある。

それをひとまとめにすれば「最適化」の技術ということになるだろう。

初めてウェブサイトを作った時の話が一番わかりやすく、しかも即役に立つ。

 僕が仕事をする前にあれこれ考えて「この知識も勉強しておかないと、あんな経験を積んでおかないと」などと考えていたら、無駄な知識のために時間を浪費することになっただろう。
 大体、やったこともないことに取り組む時に、どんな知識があれば十分か事前にどうやってわかるというのだ。最初からそんな風にバリアを貼ってしまうから、自分で自分の作った壁にぶつかってしまう。
 何かをする前に勉強をするのではなく、やりたいことをしながら学んでいくことが大事なのだ。
p145-146

引用する例は、この一つで十分だろう。学ぶことの本質を的確にとらえているからだ。

『本音で生きる』のベストの使い方は、読み終えてから何かをやろうとするのではなく(読み終わった瞬間内容の8割は忘れているものだ)、読んでいる途中で書いてある内容を行動に移す、または前からやろうとしていたこと、または新たなチャレンジに向けて、一歩踏み出すことである。

 アイデアの価値は暴落したが、その代わりに重要になったのが実行力だ。アイデアはいくらでも転がっているのだから、あとはやるかやらないかにかかっている。p150

実は、『本音に生きる』には、もう一つ大事なコンテンツがあり、堀江貴文の真骨頂とも言える情報収集の技術に関して、かなり高度なことが書かれている。それこそが、読者だけの楽しみ、特権ということで、これ以上は語らないことにしよう。



  Kindle版

関連ページ:
堀江貴文『あえて、レールから外れる。逆転の仕事論』
堀江貴文&テリヤキ編集部『ばかウマ』 
堀江貴文・瀬戸内寂聴『死ぬってどういうことですか?』
堀江貴文・岡田斗司夫『ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!』
堀江貴文『刑務所わず。』
堀江貴文『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』
堀江貴文『堀江貴文の言葉』
堀江貴文『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』
堀江貴文『お金はいつも正しい』
堀江貴文『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?』
堀江貴文『刑務所なう。シーズン2』
コメント
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
 

(C) 2024 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.