つぶやきコミューン

立場なきラディカリズム、ツイッターと書物とアートと音楽とリアルをつなぐ幻想の共同体
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保坂和志×小沢さかえ『チャーちゃん』
JUGEMテーマ:自分が読んだ本  文中敬称略



『チャーちゃん』(福音館書店)は、保坂和志作、小沢さかえ画による絵本です。

子供向けにも、大人向けにも書かれた本で、一匹の猫が主人公、テーマは死、あるいは死の後の世界です。

帯文には次のような文章があります。

人は死んだらいなくなるというのがこの社会の常識だが、果たししてそれはほんとうなのだろうか。そして、ぼくたちの実感にもそれはそぐわないのではないか。
「死」という得体のしれない存在に気づき始めた子どもたちに、そして「死」というものをどう受け止めていいのか迷い続ける私たちに向けて、現代文学の旗手、保坂和志が、一匹の死んだ猫を語り手にして紡いだ「死」を巡る言葉。

しかし、決して宗教的なものではありませんし、科学的なものでもありません。

死んだ猫の目から見た、文学的な死の世界と言えるかもしれません。

死ぬと生きるの、違い?
よくわかんないな。

死んでも生きても、
ぼくはぼくだからね。

死んだものが、死の後も同じものであるのは、果たして生き残ったものの心の中でそうなのか、それとも死んだものにとってそうであるのか、そんな疑問を投げかけながら私たちに死について考えさせます。

『チャーちゃん』
は、想像したよりも大きく、そして薄い本です。

文章自体、長い一篇の詩程度の長さしかありません。そんなわけで気に入った文を引用してばかりもゆきません。

しかし、絵とともにその世界に入り込むと、奥行きの中に引き込まれそうになります。

小沢さかえの描く白い猫チャーちゃんの姿は、生き物の魂を純化して引き出したようなイメージです。チャーちゃんの踊る野原は、夢の世界のようでもあるし、それでいて多様な草花の形や色で満たされた幸福な世界です。そして、それはやがて犬や熊や象、魚や鳥まで巻き込みながら、踊り続ける世界です。

そこで表現されるのは、生きても死んでも変わらない、生命のイデアそのものであるのかもしれません。

死はある時、暴力的な出来事として、私たちを訪れます。『チャーちゃん』は、そんな時に、私たちの心の支えとなってくれる本の一つと言えるでしょう。

参照リンク:
保坂和志 前編「死はどうしても大きくて、それ以前をつい見過ごしてしまうもの」https://cakes.mu/posts/12277
『チャーちゃん』の中に込めたメッセージと死生観について語る保坂和志へのインタビュー前編。
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