つぶやきコミューン

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北条司『エンジェル・ハート 2nd シーズン 12』
JUGEMテーマ:自分が読んだ本   文中敬称略



新宿駅東口の掲示板に書かれたXYZの依頼を見つめる香瑩(シャンイン)。

これを逃せば
近日中に
生活費は底を
つく……

絶対…に
逃せない

そして喫茶店キャッツアイでまったりとくつろぐ冴羽の背後から襲いかかる魔の手…

My Cityがルミネ・エストに変わり、槇村香が香瑩に変わった以外は、何もかも同じ光景の繰り返しだ。

北条司『エンジェル・ハート 2nd シーズン 12』の冒頭は、おそらくテレビドラマ化がスタートしたためか、意識的に『シティ・ハンター』時代のシチュエーションを反復している。個人的なイメージとしては、冴羽は大沢たかおで、槇村香は内田由紀が原作のイメージに近いと思っていたのだが、上川隆也の冴羽もいい。ジャッキーチェンよりはずっといい。相武紗季の香役は中性的にならずに色っぽさが出てしまうのが難点だが、美人だから許す。逆に、高島礼子の野上冴子はあぶなっかしい色気がなくて、声のトーンも低くちょっと抵抗感がある(せめてもう五年早ければ・・・)。天海祐希あたりの方がベターではなかったか。まあ、『エンジェル・ハート』『シティ・ハンター』のパラレルワールドということだから、誰もが自分のイメージのや香、冴子を想像する自由は残るわけだ。

『2ndシーズン 11』で失踪したプロ野球のエースの母子との再会と、球界へのカムバックを手助けしたたちだが、12ではIT企業の社長の依頼を受けることになる。実は、彼は双子の兄の交通事故死に際して、車を貸したために、警察の側で取り違えが生じ、食い詰めていた苦境も手伝い、そのまま身代わりを演じ続けた。しかし、自分の余命がわずかとなって、その葬式の時に、兄の遺骨と自分の遺骨を取り換えてほしいというのである。

だが、残った自分の遺骨をどうするのか?と問われたとき、男は言葉を濁す。生き別れになった恋人の存在を嗅ぎつけたたちは、再会のために奔走する。ざっとこんな話である。

『シティ・ハンター』のころは、悪の手から善を守るのが主だった設定だったが、このところ『エンジェル・ハート』にはカメレオンを除き、善人しか出てこない。

恋人や家族、友人の、はるか昔の心のすれ違い、ボタンの掛け違いを修復する、そんな仕事ばかりしている。同じようなエピソードの繰り返しなのだが、それでも見事に泣かされてしまうのは、キャラクターの力と北条司のストーリーテラーとしての才だろう。

『エンジェル・ハート 2ndシーズン 12』では、いつもはあっさり終わるはずの事件解決後のエピソードがやたらと長い。依頼主の男が父親にあたる娘と死んだ母親の絆の確認を、そっくり、香瑩、香の関係に重ねながら、原点帰りしているかのようなエンディングである。

関連ページ:
『エンジェル・ハート 2ndシーズン 10』
『エンジェル・ハート 2ndシーズン 9』 
『エンジェル・ハート 2ndシーズン 8』
『エンジェル・ハート 2ndシーズン 7』


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