つぶやきコミューン

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和夏弘雨『火葬場のない町に鐘が鳴る時』1,2
JUGEMテーマ:自分が読んだ本  文中敬称略
 


碧海景
(あおみ けい)原案、和夏弘雨(わなつ こう)漫画の『火葬場のない町に鐘が鳴る時』(講談社)は、Web上の漫画雑誌「ヤンマガ海賊版」に連載中のコミックの単行本化で、1巻、2巻が同時発売です。

wanatsu

ヤンマガ海賊版は一度登録した後、うまく閲覧できなかったこともあって、つい最近までこの作者のことはよく知らなかったのですが、思わず書影を見て、引きこまれてしまいました。1巻と2巻の表紙を合わせると、一枚の完成画となります。一人の少女と、二人の少年たちの背後にあるのは、昭和レトロな町の駅前の風景です。後ろには山並があり、その陰に夕日が沈もうとしています。そして夕空に浮かぶ巨大な影が不気味さを漂わせます。精緻なペンのタッチと、絶妙のカラーリングで、たった一枚の絵で、見事に作品の世界観を表現しています。この若い漫画家の並々ならぬ才能と豊かな将来性がそれだけで見て取れたのです。、

そして、ページを開くと、期待通りの世界が、ノスタルジックな山奥の田舎町を舞台に、少年少女を主人公とした、ホラー・ストーリーがスタートするのです。

【あらすじ】
人口6千人の山奥の小さな町、三途洲(みとず)町に十年ぶりに両親とともに戻って来た卯月勇人(うづき ゆうと)は進学校に合格したばかりの高校生。父親の転勤のために、この町へ引っ越す羽目になった。だが、がっかりするどころか、勇人の心は弾んでいた。というのも、いつも遊んでいた幼なじみの豊岡咲との再会を楽しみにしていたためだった。しかし、再会した咲は、勇人にあなたは誰?そんな人知らないと冷たく言い放つ。

しかし、鳩時計が6時を知らせると、咲の表情が豹変する。勇人がいなくなった後、町に大きな変化があった。それは午後6時の鐘を聞いたら、絶対に外へ出てはいけない、冥奴様が迎えに来るというものだった。それを子どもをしつけるための迷信と笑い飛ばそうとした勇人だが、あわてる咲に連れられ、逃げ惑うことになる。そして、それは、本当にやって来たのだ!

ボロボロの布を身にまとい、崩れかけた骸骨のような冥奴様が、勇人たちに襲いかかる。さらに勇人は、もう一人の幼なじみと再会することになるが、その時にはすでに勇人の家族にも危機が迫っていたのだった。

ドアの外をガリガリとひっかく音、大きな空洞の中に輝く不気味な目、ムンクの叫ぶ人のような異形の化け物、冥奴様の正体とは?読み出したら止まらない。スティーブン・キングの小説『IT』のような、少年時代過ごした町での友人との再会を縦軸に、謎に満ちた山奥の町で起こる怪奇現象を横軸に繰り広げられる、サスペンス・ホラーの傑作が『火葬場のない町に鐘が鳴る時』なのです。

    Kindle版


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