つぶやきコミューン

立場なきラディカリズム、ツイッターと書物とアートと音楽とリアルをつなぐ幻想の共同体
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瀬戸内寂聴・堀江貴文『死ぬってどういうことですか?』
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『死ぬってどういうことですか? 今を生きるための9の対論』(角川フォレスタ)は、瀬戸内寂聴さんと堀江貴文さんの4回にわたった対談をまとめたものです。

まずこの対談、寂聴さんの「はじめに」と堀江さんの「あとがき」がすごくいいわけですね。寂聴さんの方は、最初からホリエモン萌え的な感じで、この対談臨んでいるし、自分の中での堀江貴文像がどう変わっていったかを切々と語っているわけです。知らないうちは、「バッカじゃなかろうか」と笑ってたのに、いつのまにか単なる好奇心が、愛情めいたものに変わってゆく経緯がつづられているわけですね。何しろ、最初の書き出しが、
 
誰か若い人と会って話しませんかと、出版社の編集者に言われた時、私は即座に、「ホリエモン!」と叫んでいた。p3

ですから。

それから、堀江さんの「あとがき」も、人生の大先輩に対するリスペクトにあふれています。さらに、人間性に対する分析も的確ですね。だから、巷では戦争に関する「起こる、起こらない、起こったら逃げる」の議論ばかりがとりざたされてて、寂聴(激怒)とかなんかムード悪い対談みたいなイメージで考えられがちですが、全然そんなことないですよ。
 
  僕はただただ楽しかった。勝手なことをしゃべって、寂聴さんも負けずに勝手にしゃべった。周囲は「意外と二人の意見が一致している」と言うのだが、そうかもしれない。「意外と寂聴さんのほうが厳しいことを言っている」とも。そうかもしれない。
  五十年違うから、生きてきた時代が全く違うものの、結婚観にしても、死生観にしても、社会に対する姿勢も、芯はブレず、非常に柔軟だ。当然ながら知識・教養もたっぷりあり、興味・好奇心もいっぱいで。全く意見が噛み合わなかったのは原発の話くらいだろうか。
p220

まあ、堀江さんにしてみれば戦争なんてくだらないという大前提は一致しているので、戦争の話は噛み合ってないとさえ思ってないわけです。

後、原発に関していえば、寂聴さんはとにかく危ないし、怖いから、こんなもの残したらダメという理想派で、堀江さんの方はそうですね、危ないし、こわいですね。でも、今あるものは止めたってリスクはゼロにならないのだから、ここはもっと安全性の高い新型に置き換えた方がベターだし、この先廃炉にするにも、技術者は必要なのだから、電力会社にもっとお金回るようにした方が安全じゃねという現実派で、大体の人の意見はこの二人の意見の間におさまるのではないでしょうか。だから、その二人の間で、読者は自分の意見を選ぶ自由があるわけで、それは戦争に関しても同じですね。

戦争に関しては、安倍政権のあのポーズは国内向けのみせかけだと言うし、寂聴さんはあの人は本気だと思っている。堀江さんは、そもそも国家自体を重要視してないから、そういうのに夢中な人の気持ちが理解できない。そんな流れの中ででてきた話です。

堀江さんも、寂聴さんも、腹の探り合いみたいな会話は全然やってない、ぶっちゃけ本音トークなんで、この対話、とても面白いです。二人に共通してるのは、古めかしい、型にはまった考えが大嫌いで、自由に生きたいってことでしょう。

1は生きるとは、死ぬとはって話、では物とかしきたりとかみんな捨てちゃえという話、は子どもを手放すという共通の経験を踏まえて、血のつながりよりも養子でいいんじゃねという話 は歯がいかに健康にとって大事かという話です。は生きてるだけでなんとかなるという話。寂聴さんが才能派、堀江さんが努力派というコントラストが面白いです。は今の世の中の働き方や政治について、ここで家入さんと都知事選の話とかも出てきますね。上のが原発の話で、が戦争の話、は軍部よりもこわいのは検察という話です。

この中で、とくに凄いと思ったのは、4の歯の話と9の検察の話です。堀江さんの実体験に基づいて、ディテールが細かいので、説得力があります。歯の話なんか、粗末にしたために死んだ人の話とか出てきて、本当怖いし、それだけ役に立つ話です。検察の話は、堀江さんの頭脳がフル回転して、検察の歴史をふまえながら問題点を洗いざらい分析しているので、冤罪とか興味のある人は必読の内容です。

とにかくところどころ意見が枝分かれしてても、後でまた合流するので、フレンドリーで雰囲気のいい対談です。42歳と92歳と、二人の年齢50歳離れてますけど、その間の年代の人は、この二人よりも大体頭が固いと思われるので、頭をほぐすストレッチにもいいのではないでしょうか。
 
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