北条司『エンジェル・ハート 2ndシーズン 9』
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北条司『エンジェル・ハート 2ndシーズン 9』(徳間書店)は、2ndシーズン最高の出来とも言える感動作。真の父親とは何かという問いかけと、獠とファルコンの友情が泣かせどころです。
【前半のあらすじ】
ファルコンこと、伊集院隼人の前に現れた女子高生は、ファルコンこそ自分の父親ではないかと考えていた。というのも、彼女の名前は、中津川隼子(なかつがわじゅんこ)、シングルマザーである彼女の母親の携帯電話に登録された名前の中に自分と同じ文字を見つけ、そう判断したのであった。しかし、隼子は、電話に出た冴羽獠をファルコンだと勘違いしてしまうが、ファルコンの頼みで獠はその役目を演じ続けることになる。実は、母親の携帯電話には、他にも3人の男性の名前があり、ファルコンを含め、その誰かが父親であるらしい。
やがて、獠やファルコンの前に現れた隼子の母、中津川静香はビューティーサロンのオーナー社長の美魔女だった。静香は、隼子に四人の父親候補の中から、自分の父を選びなさいと無理難題をふきかける。裏にある秘密をかぎとった獠は一計を案じ、静香が死んだことにして、通夜の場に3人の父親候補を呼べばいいのではないかと提案し、静香もそれに応じる。
とんでもない計画を持ち掛けた獠の真意は何か?そして、ファルコンは隼子の本当の父親なのか?それとも他の三人の誰かなのか?そして、隼子は誰を父親として選ぶのか?
これまでエンジェル・ハートは一巻の前半分が前回のエピソードの決着編で、後半が新しいエピソードの始まりとなっていたのですが、今回はまるごと第8巻の最後でスタートしたエピソードの決着編となっています。そのため、もやもやとした気持ちを残すことなく、読み終えることができるのではないかと思います。『ファミリーコンポ』『エンジェル・ハート』と、普通でない家族像を描き続きてきた作者ならではのストーリー展開だと思います。
関連ページ:
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