つぶやきコミューン

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二ノ宮知子『87 CLOCKERS 5』
JUGEMテーマ:自分が読んだ本  文中敬称略




二ノ宮知子『87 CLOCKERS』は、PCのオーバークロックで世界制覇をめざすオタクたちの世界を舞台としたラブコメコミック。日本中にクラシックブームを引き起こした『のだめカンタービレ』同様、ある女性との運命的な出会いで、人生の流れを変えてしまった男を中心とした、ボーイミーツガールの物語である。

卒業を間近にした音大生、一ノ瀬奏は、世界的に有名なオーバークロッカーであるMIKEの元に足しげく通いながらサポートを努める女性、ハナに一目ぼれ。ハナの置かれた過酷な状況に憤りを感じた弾みで、「MIKEさんに勝ったら、僕と付き合ってくれますか」と、右も左もわからないオーバークロックの世界に挑戦することになる。

奏は、MIKEの元で、窒素による冷却、オーバークロックの修業を積み、さらに女性オーバークロッカーのジュリアとともに、アキバ杯にゲーマーとして参戦、優勝を遂げる中で、めきめきと腕を上げてゆく。そんなころ、ハナの前にハナの両親が現れる。両親は、幼なじみであり、地元を支配する有力企業グループの御曹司ぼっさんこと、火切俊充との結婚を、ハナに対し迫る。

両親から逃れるために、オーバークロッカーとしても有名な丸田の牧場へ逃げ出したハナ。そして、アルバイトのために、同じ牧場に身を寄せる奏。第5巻はここから始まる。

[以下のまとめは5巻半ばまでのあらすじを含んでいます]

同じ屋根の下で寝起きし、ハナの手料理が食べられる牧場での生活は、奏にとって夢のような生活だった。そして、丸田 とともに奏は、今度は上海で開かれる3Dのオーバークロックで世界大会への出場を賭けて、日々励むことになる。毎回、惜敗を繰り返し、オーバークロックに対し、冷淡になっていた丸田の家族も次第に協力的になり、希望が出てきた矢先に、ハナの婚約者、火切俊充が現れ、ハナは彼に対して厳しい言葉を投げかけ、姿を消す。

他方、ハナという強力なサポーターに去られたMIKEはスランプ気味。ハナがいないとPCのパーツは格安で手に入らず、ネットで中継しながらも自分の世界記録への挑戦も失敗してしまう。だが、MIKEの前に現れたジュリアに対し、女性を見る目で接するMIKEの姿に、ハナはショックを受ける。MIKEに対して、自分はなくてはならない存在だと思っていた自信が打ち砕かれ、自分を女性扱いしないことが気に入っていたハナは、このMIKEの態度に穏やかな気持ちでいられなくなる。

ぼっさんも牧場でのアルバイトに励むことになるが、ハナにふられる度に欠点を一つ一つ克服し、今はアメリカでの起業により、親からも経済的に自立したこの恋敵の存在に、奏もまた引け目を感じ、千々に心乱れるのであった。

丸田と奏は、記録でトップとなり、3Dオーバークロックの世界大会への切符を手に入れることができるのか?姿を消したハナの行方は?ハナに決定的な言葉を投げかけられたぼっさんは立ち直れるのか?そして、MIKEとジュリアの距離は?

このところゲーム勝負の行方に支配され、ラブコメ要素が控えめであった『87CLOCKERS』だが、ここへ来て一気に五つ巴のラブコメ要素全開、カオスな状況に、読者の頭と心も振り切れそうなオーバークロック状態に。否が応でも盛り上がらずにはいられない第5巻である。

関連ページ:
二ノ宮知子『87CLOCKERS 3』

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