つぶやきコミューン

立場なきラディカリズム、ツイッターと書物とアートと音楽とリアルをつなぐ幻想の共同体
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堀江貴文・岡田 斗司夫『ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!』
JUGEMテーマ:自分が読んだ本
 
欲しいのは「成功」じゃありません。自分が主役の物語だから、成功するに決まっているんです。欲しいのは「より多くの人が参加できる物語」です。
岡田 斗司夫はじめに、p11)


『ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!』(徳間書店)は、ホリエモンこと堀江貴文氏とオタキングこと岡田 斗司夫氏が2010年5月、2011年4月、2013年6月に行った対談をまとめたものだ。このことを頭に置いておかないと、堀江・岡田両氏の著作をカバーし、近況を知っている人は話の流れにとまどうことになるかもしれない。2010年の時点では、岡田氏のFREEexはオタキングexと呼ばれていたし、堀江氏も岡田氏のツイッターをフォローしたばかりだったからだ。

『オネアミスの翼』が与えた三つの夢

岡田氏は『新世紀エヴァンゲリオン』を生んだGAINAXを作った人である。岡田氏を中心にクリエイターが結集し1984年から1987年にかけ『王立宇宙軍 オネアミスの翼』を作成。完成後解散の予定が、赤字を埋め合わせるために、その後も『トップをねらえ!』(1988-89)や『ふしぎの海のナディア』(1990-91)といった作品を生み出すことになる。

この『オネアミスの翼』の大大ファンであるのが堀江氏で、ライブドア時代に続編を作りたいと提案したことがあるほどだ。少年のように目を輝かせる堀江氏の夢をかきたてた『オネアミスの翼』には、三つの夢がこめられている。一つは宇宙開発への夢、もう一つはベンチャーの夢、そして第三がアニメ作成への夢である。『オネアミスの翼』は、地球に似たどこかの惑星で、ぱっとしない若者たちが、力を結集させてロケットを宇宙上げる物語だ。そして、宇宙開発とアニメーションの夢は、この対談を最後まで支配する大テーマとなっているのである。


「小四病」とは何か?

オタキングと呼ばれる岡田氏だが、人間関係を苦手とするコミュ症のオタクではなく、むしろ人間観察や評価に長けた特異な能力を持った人であり、さながら『ドラゴンボール』に登場するスカウターのようなその能力は朝日新聞に連載されている人生相談「悩みのるつぼ」にもいかんなく発揮されている。

その岡田氏の目から見ると、堀江氏は「中二病」ではなく、「小四病」ということになる。

会いたい人にはいつでも会えるから、いま会いたい人は誰でもいい、自分が主人公で他の人間はみな脇役という世界。そんな「小四病」の方が「中二病」よりも精神年齢が低い分エネルギーは高い。少年は挫折を経て大人になるけれど、小四病の堀江氏は、挫折しても跳ね返してしまうので鬱屈した青年にもならないし、それゆえ大人にもならない。こんな人ばかりだと社会は迷惑だが、百万人に一人くらいはいた方がいい。これが岡田氏の見た堀江氏評である。

評価経済とexシステム

宇宙とアニメというテーマは、この対談を通して、通奏低音のように鳴り響いているが、最大のテーマは、岡田氏が日頃提唱している評価経済である。

評価経済とは、貨幣の代わりに、評価が流通する社会のことである。岡田氏は、現在の貨幣経済が人を幸せにするシステムだとは思えないため、この考えを思いついた。

岡田氏は、オタキングex(のちにFREEex)というシステムをつくり、そこの社長として生計を立てている。通常の会社とは逆に、このexシステムは社員が毎月1万円社長に払いながら、様々な活動をともにするというシステムである。その代わりに、岡田氏は外での仕事に関して、謝礼や印税もとっていない。金の与えることによって、人を支配する社会のあり方に対し、別のやり方を身をもって提案し、現実に活動しているのである。

こうした評価経済は、貨幣経済と完全に対立しあうものではなく、相互に補完しながら、次第に社会の中に浸透していく途上にある。堀江氏のメルマガにしても、個人への評価を、金に変えているが、それはやりたいことを経費を堀江氏が負担しているからであって(exシステムではレベル2に相当)、ただでもやりたい人が集まればそんな金も要らなくなり、メルマガも金をとらなくなる(これがexシステムのレベル3)というのが岡田氏の発想である。

そして、そのやり方でみんなの力を結集させ、アニメを作ってはどうかという方向へと、話は発展していくのである。

二人に共通し、本書全体を貫くメッセージは、金がないからやりたいことができないのではなく、やりたいことがあるなら金にこだわらずやり続けろ、そのための新しいさまざまなやり方が与えられている時代なのだからということになるだろう。

本書は、成功する方法を説いたものではなく、あくまで自分が人生の中心となる考え方を説いたものである。ダイエット・ジプシーという言葉があるように、「〜のように成功したい、金儲けしたい」と考える人は、永遠のカモに終わる。

好きなことだけやり続けるーそんな贅沢は堀江貴文だから、岡田
斗司夫だからできたのだという人に対する答えも本書には含まれている。まずは読むべし。

関連ページ:
岡田 斗司夫の本
岡田 斗司夫『「風立ちぬ」を語る』
小飼弾・岡田岡田 斗司夫『未来改造のススメ』(小飼弾との共著)

堀江貴文の本
堀江貴文『刑務所わず。』
堀江貴文『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』
堀江貴文『堀江貴文の言葉』
堀江貴文『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』
堀江貴文『お金はいつも正しい』
堀江貴文『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?』
堀江貴文『刑務所なう。シーズン 2』

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