赤羽雄二『ゼロ秒思考』
JUGEMテーマ:自分が読んだ本 文中敬称略
私たちは考えているようで、実は深く考えていない。同じ所を堂々めぐりして、表面的な考えのレベルにとどまっている。それを変えるにはどうすればいいのか。きわめて簡単なソリューションはメモをすることにあった。
心のなか中のわだかまりも、ひらめいたアイディアも瞬時にメモの上に書き出してしまえばよい。それだけで、日ごろの心配事、悩みから脳が解放され、コミュニケーションも潤滑になる、スピーディに考えられるようになるというのが赤羽雄二『ゼロ秒思考 頭がよくなるシンプルなトレーニング』(ダイアモンド社)の基本的な主張である。
やることはきわめて簡単だ。そして、実行し続ければ確実に効果がある。
本書の内容は、この「はじめに」の中でほとんど語られ尽くされている。後は、なぜそうするのか、なぜこの形がいいのかといった理由づけであったり、具体的に何を書くのかという、何を書いていいかわからない人のためのヒントであったりする。いわば薬の効能書きみたいなものである。これだけだと、あまりにシンプル過ぎて、誰も実行しそうにないから文章を書き連ねているだけだ。
A4の紙は、使い古した裏紙でよい。それだけで気が楽になるし、上手な文章やきれいに書こうとする配慮も不要である。ただ、自分が読みやすければいい。
目安としては4〜6行、各行20字〜30字程度がよいと言う。個人差もあるが、それがぎりぎり1分で書き出せる分量である。左上にタイトルを入れ下線を引く。右上に2014-3-31のようにシンプルな形で日付を入れる。それだけだ。
ノートやパソコンではなぜ駄目なのか。
ノートでは、後で分類したり整理したりするのに不便だからだ。
パソコンでは、アイデアが思いついた時に間に合わないことも多い。それだけでなく、図を描いたりするにも時間がかかりすぎる。パソコンに合わせると文字しか打てなくなり、本末転倒の結果となる。
フォルダは、市販のクリアファイルを使えばいい。それをテーマごとに7から10用意し、そのままほうりこんでゆくだけでよい。
メモ書きの技術の本はこの本だけではないが、それらはアイディアのみにとらわれすぎていた。素晴らしい考えばかり追おうとしても思うように浮かばないのは、日ごろのわだかまり、心のゴミの部分を吐き出すことを回避しているためである。本書のオリジナリティは、実はこの心理的効果の側面を重視していることである。
人は同時に二つのことを考えられない。だから心を占めている心配事をまず吐き出してしまえ。それと素晴らしいアイディアの間に区別はない。
情報収集に時間をかけすぎないことも大事だ。情報収集をやっているうちに機会を失う可能性の方がむしろ高い。
最初にこの方法はやり続ければ間違いなく効果があると述べた。実はやり続けるのが難しい。それは最初にずらりすべて書き出してしまうと、同じことを繰り返し考えていたつもりが実はそれ以上考えていなかったことに気づく。気負って20ページでも30ページも書こうとする人がいるが長続きはしない。
しかし、同じ考えが出てくればそれもさらに書き出した方がいいと言う。
以前書き出したものを探そうとすると、1分以上時間がかかってしまう。メモをすべて携帯しているわけでもない。それなら新たに書きだした方がいい。たいていは最初のものよりベターな内容になっているはずだ。
いろいろと自分なりの工夫を加え、かえってダメにする人がいる。フォーマットの工夫よりも内容を一定期間吐き出し続けることの方がずっと重要だ。まずは数百ページ書き出してみて効果を実感してほしい、フォーマットの工夫などその後で自然にできることだ。
大事なのは思いついた瞬間に書くことだ。夜にまとめ書きをしようとしてはいけない。アイデアとは一期一会。まとめ書きでは、おぼろげな記憶で内容も曖昧になる。
さらに、一つのテーマを堀り下げて書く方法や、メモを企画書やプレゼンにまとめる方法が後半に書かれているが、そこまでやる必要がある人は限られている。本書の内容はエッセンスは、以上のことの繰り返しである。このまとめだけで十分な効果があるはずだが、少し試みて自分に合っていて効果がありそうと感じた人は本書を開いてみるとよいだろう。
Kindle版
私たちは考えているようで、実は深く考えていない。同じ所を堂々めぐりして、表面的な考えのレベルにとどまっている。それを変えるにはどうすればいいのか。きわめて簡単なソリューションはメモをすることにあった。
心のなか中のわだかまりも、ひらめいたアイディアも瞬時にメモの上に書き出してしまえばよい。それだけで、日ごろの心配事、悩みから脳が解放され、コミュニケーションも潤滑になる、スピーディに考えられるようになるというのが赤羽雄二『ゼロ秒思考 頭がよくなるシンプルなトレーニング』(ダイアモンド社)の基本的な主張である。
やることはきわめて簡単だ。そして、実行し続ければ確実に効果がある。
それは、頭に思い浮かぶことを次々とメモに書くだけだ。ただノートやパソコン上ではなく、A4の紙に1件1ページで書く。ゆっくり時間をかけるのではなく、1ページを1分以内にさっと書く。毎日10ページ書き、フォルダに投げ込んで瞬時に整理する。それだけで、マッキンゼーのプログラムでも十分に教えていない、最も基本的な考える力を鍛えられる。深く考えることができるだけでなく、「ゼロ秒思考」といえる究極のレベルに近づける。心のコントロールの達人にもなり、ストレスや不安、恐怖が軽減される。前向きに明るく考えることができるようになる。しかも、お金はほとんどかからず、わずか3週間ほどでかなりの効果を体感できるはずだ。
本書の内容は、この「はじめに」の中でほとんど語られ尽くされている。後は、なぜそうするのか、なぜこの形がいいのかといった理由づけであったり、具体的に何を書くのかという、何を書いていいかわからない人のためのヒントであったりする。いわば薬の効能書きみたいなものである。これだけだと、あまりにシンプル過ぎて、誰も実行しそうにないから文章を書き連ねているだけだ。
A4の紙は、使い古した裏紙でよい。それだけで気が楽になるし、上手な文章やきれいに書こうとする配慮も不要である。ただ、自分が読みやすければいい。
目安としては4〜6行、各行20字〜30字程度がよいと言う。個人差もあるが、それがぎりぎり1分で書き出せる分量である。左上にタイトルを入れ下線を引く。右上に2014-3-31のようにシンプルな形で日付を入れる。それだけだ。
ノートやパソコンではなぜ駄目なのか。
ノートでは、後で分類したり整理したりするのに不便だからだ。
パソコンでは、アイデアが思いついた時に間に合わないことも多い。それだけでなく、図を描いたりするにも時間がかかりすぎる。パソコンに合わせると文字しか打てなくなり、本末転倒の結果となる。
フォルダは、市販のクリアファイルを使えばいい。それをテーマごとに7から10用意し、そのままほうりこんでゆくだけでよい。
メモ書きの技術の本はこの本だけではないが、それらはアイディアのみにとらわれすぎていた。素晴らしい考えばかり追おうとしても思うように浮かばないのは、日ごろのわだかまり、心のゴミの部分を吐き出すことを回避しているためである。本書のオリジナリティは、実はこの心理的効果の側面を重視していることである。
(…)過度の自意識を取り払い、がんじがらめでこわばっている頭をほぐすことができれば、誰でも元々持っている高い能力を発揮できるはずだ。p52
メモに書くことで、もやもやした思い、懸案事項、考えも整理される。頭がすっきりする。もやっとした思いを言葉に直し、手書きし、目で確認することで、メモが外部メモリになる。そうすると、驚くほど頭の働きがよくなる。そう、人間の頭はそれほどキャパがあるわけではないので、何かに気をとられるとうまく動かないのだ。p64
人は同時に二つのことを考えられない。だから心を占めている心配事をまず吐き出してしまえ。それと素晴らしいアイディアの間に区別はない。
情報収集に時間をかけすぎないことも大事だ。情報収集をやっているうちに機会を失う可能性の方がむしろ高い。
「もっと情報がほしい、今のままだと不完全だ」と言いたい気持ちをこらえて、大胆に仮説を出す癖をつけることだ。p57
最初にこの方法はやり続ければ間違いなく効果があると述べた。実はやり続けるのが難しい。それは最初にずらりすべて書き出してしまうと、同じことを繰り返し考えていたつもりが実はそれ以上考えていなかったことに気づく。気負って20ページでも30ページも書こうとする人がいるが長続きはしない。
だが、実際やってみると、それほど続かないだろう。1日10ページ、つまり10のテーマで書くことはやってみると結構大変なことなのだ。2、3日はよいが、ほとんどの人は毎日10ページすら1週間も続かない。
なぜか。おそらく、普段いろいろなことを考えているとは言え、堂々巡りや繰り返し、逡巡が大半なのだ。p109
しかし、同じ考えが出てくればそれもさらに書き出した方がいいと言う。
以前書き出したものを探そうとすると、1分以上時間がかかってしまう。メモをすべて携帯しているわけでもない。それなら新たに書きだした方がいい。たいていは最初のものよりベターな内容になっているはずだ。
どうせ1分で書き終えることなので、前に書いたものを見ずに、空で新たに書き下ろすほうがよほど効率的だ。p87
いろいろと自分なりの工夫を加え、かえってダメにする人がいる。フォーマットの工夫よりも内容を一定期間吐き出し続けることの方がずっと重要だ。まずは数百ページ書き出してみて効果を実感してほしい、フォーマットの工夫などその後で自然にできることだ。
大事なのは思いついた瞬間に書くことだ。夜にまとめ書きをしようとしてはいけない。アイデアとは一期一会。まとめ書きでは、おぼろげな記憶で内容も曖昧になる。
さらに、一つのテーマを堀り下げて書く方法や、メモを企画書やプレゼンにまとめる方法が後半に書かれているが、そこまでやる必要がある人は限られている。本書の内容はエッセンスは、以上のことの繰り返しである。このまとめだけで十分な効果があるはずだが、少し試みて自分に合っていて効果がありそうと感じた人は本書を開いてみるとよいだろう。
Kindle版