詩歩『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』
JUGEMテーマ:自分が読んだ本 文中敬称略
■なぜ、絶景写真集を買ってしまうのか?
詩歩『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』(三才ブックス)は、Facebookで集めた64の絶景スポットの写真集である。写真の裏面には、その場所への行き方や周辺の観光スポット、旅費の概算が記され、親切な構成になっている。
ツイッターをやっていれば、世界の絶景写真の一日に一つや二つは回ってくる。Gunosyを使っていれば、ならなおさら。これでもかとばかりに、こういう美しい風景が次々に紹介される。
それなのに、凝りもせずに本屋の店頭で開き、数枚の気に入った写真があれば、買ってしまうのがこの手の絶景写真集である。
ネット上に散らばった写真は一覧するのに時間がかかるし、集中させてハンディな形で手元に置いておきたいという誘惑に抵抗できないのである。
手元に置いてどうするのか?
まずは想像の旅をする。
その場に自分を置き、空気を感じながら、周囲を見渡す。そして歩きまわってみる。
次にどうするか。
自分で写真を撮る場面を考える。
通常この手の写真は、ほとんど唯一と言ってもいいほどの最良のアングルから撮られたものである。少しずれると障害物や余計なものが入って、効果的な写真にはならないことが多い。だから、その場に行ってもよい写真は誰が撮っても似たり寄ったりということになる。
そして、ほとんど最良の条件で撮影されたものである。最良の条件とは、おおむね晴天。あるいは夕方の赤みの差した光線下のことである。特に、日没の前後数十分間は、「マジックアワー」と呼ばれ、物が陰影が最も深く、印象的に撮れることで有名だ。あるいは、満天の星が輝く夜空。
それらの整った条件下での撮影は、一期一会の旅では得られないことが多い。
何日も、晴れるのを待って、あるいは夕方の光が濃厚になるのを待ってシャッターを切る。そのような周到な準備なしには得られないものが多いのだ。
雲海越しの日の出しかり、ほどよく霧に包まれる高山の絶景スポットしかり。
あるいは、写真をベースに絵を描くことを考える。
自然の絶景の多くはおそろしくシンプルな色と形からなっている。ほんの一分もあれば、描き上げることができるものも多い。しかし、一枚の写真の与える感覚には到底及びもつかない。なぜか?微妙な色彩のトーン、そして岩石や砂、水や氷や樹木の素材感を表現するのは至難の業であるからだ。そして画材との相性もある。時間も費用もさしてかからない色鉛筆やカラーペンでは到底表現し尽くせず、水彩絵の具で描くか、油絵でキャンバスに描くか、そうなると到底片手間ではできなくなってしまう。
古代の遺跡やヨーロッパの教会などの建築物は、無限と言っていいほどの細かいディテールを持っていて、小さな写真では到底その実態を表現しきれない。まして、それをモデルにしたスケッチでその質感を表現することは、おそろしく手間と忍耐を要する作業である。
だから、極上の風景を自分のものにしようとする試みのほとんどは失敗に終わってしまう。
簡単に表現しきれないから、絶景と言えるのだと、自分に言い聞かせるしかないのである。
■絶景を分類してみる
一体、何を絶景と呼ぶのか?この本の中に集められた風景を分類してみる。分類しようとすると、二重三重に重なるものも出てくるのであくまで便宜的なものにすぎない。赤で記したのは日本の絶景スポット。こうしてみると、結局自分がどのような風景に惹かれるかが手に取るようにわかる。気になる地名があれば、Googleで画像検索してみれば、無数の絶景画像が見つかることだろう。
●海
09グレートブルーホール
18ニューカレドニア
19ランペドゥーザ島
30バンドン
47ナヴォイオビーチ
55角島
63玄界灘の棚田
●湖・沼
15スピリットアイランド
27ハットラグーン
29モノ湖
37ヴァーテルスウォルトセ湖
43ランタンフェスティバル
46ブルーラグーン
50ヤムドゥク湖
52九寨溝
62チチカカ湖
●滝
17ゴーザフォス
23アプリトヴィシュ湖群国立公園
60真名井の滝
●洞窟
03スカスタフェットル国立公園
08タルヴァザ 地獄の門
31マーブルカテドラル
36三游洞絶壁レストラン
45アイスホテル
59セノーテ・イキル
●砂漠と草原
25レイソイス・マラニャンセス
28ダナキル砂漠
38ワカチナ
51モラヴィア
●樹木・植物
01クレヴァ二 恋のトンネル
02国営ひたち海浜公園
10メープル街道
20アンダルシア郊外のひまわり畑
26紅海灘風景区
44河内藤苑
54モンキーポッド
●高山
05グレートスモーキー山脈国立公園
07トロルの舌
16雲海テラス
24カナイマ国立公園
33天門山ロープウェイ
64富士山
●橋
32キャピラノ渓谷吊り橋
48ラントヴァッサー橋
●遺跡
49カッパドキア
53竹田城跡
56パゴダ
●教会
34ブルーモスク
40サン・ミッシェルデキレ礼拝堂
●街並
11トレド
13コトル湾
14ハルシュタット
21サントリーニ島
22リオマッジョーレ
41シャウエン
42フリヒリアナ
●夜景
04カクシラウッタネン
06マウナケア
12シグナルヒル
35なばなの里
39ニュルンベルクのクリスマスマーケット
57南極のオーロラ
58サンタクロース村
61湯西川温泉
写真の裏面には、旅費の概算が書いてある。大体20万円が相場である。すべて回ると数百万から一千万円程度はかかりそうである。だから、よほどの旅行マニアでない限り、ごく一部の例外を除いて、写真集で満足するしかないである。
■なぜ、絶景写真集を買ってしまうのか?
詩歩『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』(三才ブックス)は、Facebookで集めた64の絶景スポットの写真集である。写真の裏面には、その場所への行き方や周辺の観光スポット、旅費の概算が記され、親切な構成になっている。
ツイッターをやっていれば、世界の絶景写真の一日に一つや二つは回ってくる。Gunosyを使っていれば、ならなおさら。これでもかとばかりに、こういう美しい風景が次々に紹介される。
それなのに、凝りもせずに本屋の店頭で開き、数枚の気に入った写真があれば、買ってしまうのがこの手の絶景写真集である。
ネット上に散らばった写真は一覧するのに時間がかかるし、集中させてハンディな形で手元に置いておきたいという誘惑に抵抗できないのである。
手元に置いてどうするのか?
まずは想像の旅をする。
その場に自分を置き、空気を感じながら、周囲を見渡す。そして歩きまわってみる。
次にどうするか。
自分で写真を撮る場面を考える。
通常この手の写真は、ほとんど唯一と言ってもいいほどの最良のアングルから撮られたものである。少しずれると障害物や余計なものが入って、効果的な写真にはならないことが多い。だから、その場に行ってもよい写真は誰が撮っても似たり寄ったりということになる。
そして、ほとんど最良の条件で撮影されたものである。最良の条件とは、おおむね晴天。あるいは夕方の赤みの差した光線下のことである。特に、日没の前後数十分間は、「マジックアワー」と呼ばれ、物が陰影が最も深く、印象的に撮れることで有名だ。あるいは、満天の星が輝く夜空。
それらの整った条件下での撮影は、一期一会の旅では得られないことが多い。
何日も、晴れるのを待って、あるいは夕方の光が濃厚になるのを待ってシャッターを切る。そのような周到な準備なしには得られないものが多いのだ。
雲海越しの日の出しかり、ほどよく霧に包まれる高山の絶景スポットしかり。
あるいは、写真をベースに絵を描くことを考える。
自然の絶景の多くはおそろしくシンプルな色と形からなっている。ほんの一分もあれば、描き上げることができるものも多い。しかし、一枚の写真の与える感覚には到底及びもつかない。なぜか?微妙な色彩のトーン、そして岩石や砂、水や氷や樹木の素材感を表現するのは至難の業であるからだ。そして画材との相性もある。時間も費用もさしてかからない色鉛筆やカラーペンでは到底表現し尽くせず、水彩絵の具で描くか、油絵でキャンバスに描くか、そうなると到底片手間ではできなくなってしまう。
古代の遺跡やヨーロッパの教会などの建築物は、無限と言っていいほどの細かいディテールを持っていて、小さな写真では到底その実態を表現しきれない。まして、それをモデルにしたスケッチでその質感を表現することは、おそろしく手間と忍耐を要する作業である。
だから、極上の風景を自分のものにしようとする試みのほとんどは失敗に終わってしまう。
簡単に表現しきれないから、絶景と言えるのだと、自分に言い聞かせるしかないのである。
■絶景を分類してみる
一体、何を絶景と呼ぶのか?この本の中に集められた風景を分類してみる。分類しようとすると、二重三重に重なるものも出てくるのであくまで便宜的なものにすぎない。赤で記したのは日本の絶景スポット。こうしてみると、結局自分がどのような風景に惹かれるかが手に取るようにわかる。気になる地名があれば、Googleで画像検索してみれば、無数の絶景画像が見つかることだろう。
●海
09グレートブルーホール
18ニューカレドニア
19ランペドゥーザ島
30バンドン
47ナヴォイオビーチ
55角島
63玄界灘の棚田
●湖・沼
15スピリットアイランド
27ハットラグーン
29モノ湖
37ヴァーテルスウォルトセ湖
43ランタンフェスティバル
46ブルーラグーン
50ヤムドゥク湖
52九寨溝
62チチカカ湖
●滝
17ゴーザフォス
23アプリトヴィシュ湖群国立公園
60真名井の滝
●洞窟
03スカスタフェットル国立公園
08タルヴァザ 地獄の門
31マーブルカテドラル
36三游洞絶壁レストラン
45アイスホテル
59セノーテ・イキル
●砂漠と草原
25レイソイス・マラニャンセス
28ダナキル砂漠
38ワカチナ
51モラヴィア
●樹木・植物
01クレヴァ二 恋のトンネル
02国営ひたち海浜公園
10メープル街道
20アンダルシア郊外のひまわり畑
26紅海灘風景区
44河内藤苑
54モンキーポッド
●高山
05グレートスモーキー山脈国立公園
07トロルの舌
16雲海テラス
24カナイマ国立公園
33天門山ロープウェイ
64富士山
●橋
32キャピラノ渓谷吊り橋
48ラントヴァッサー橋
●遺跡
49カッパドキア
53竹田城跡
56パゴダ
●教会
34ブルーモスク
40サン・ミッシェルデキレ礼拝堂
●街並
11トレド
13コトル湾
14ハルシュタット
21サントリーニ島
22リオマッジョーレ
41シャウエン
42フリヒリアナ
●夜景
04カクシラウッタネン
06マウナケア
12シグナルヒル
35なばなの里
39ニュルンベルクのクリスマスマーケット
57南極のオーロラ
58サンタクロース村
61湯西川温泉
写真の裏面には、旅費の概算が書いてある。大体20万円が相場である。すべて回ると数百万から一千万円程度はかかりそうである。だから、よほどの旅行マニアでない限り、ごく一部の例外を除いて、写真集で満足するしかないである。