つぶやきコミューン

立場なきラディカリズム、ツイッターと書物とアートと音楽とリアルをつなぐ幻想の共同体
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今月買った本(2018年1月)1月31日更新

文中敬称略

 

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1月30日

 

落合陽一『日本再興戦略』(幻冬舎)Kindle版

『日本再興戦略』はすでに紙版を予約してあったのですが、Amazonでは1月31日にならないと発送されないようです。サンプルを見て、刺激的だったので待ち切れずにダウンロードしました。堀江貴文同様、国境のない生き方をしているように見える落合陽一があえて「日本」というフレームにとどまって未来についての包括的な考察を行うという点が本書のポイントでしょう。浅田彰の三乗くらいの天才を感じました(三乗の根拠は研究者・教員に加え、アーティストと経営者のステータスが加わっている相乗効果によるものです)。「はじめに」の注がものすごい数で、基礎知識の用語集となっています(教育的な、あまりに教育的な)。注と本文を瞬時に行ったり来たりするのは、電子版ならではの快感ですね。

 

1月26日

 

千葉雅也『メイキング・オブ・勉強の哲学』(文藝春秋)2018/1/25

ロングセラー『勉強の哲学 来たるべきバカのために』の執筆過程を見える化した著作。電子書籍版はすでにレビュー済みですが、紙の版はさらに「第4章 欠如のページをめくること」と手書きノートとアウトライナーの資料を加えています。

 

1月25日

 

海猫沢めろん『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』(講談社現代新書)16/6/1 Kindle版

まもなくシンギュラリティを迎え、AIと人類の区別がつかなくなると言われる中、作家の海猫沢めろんが人類の未来を科学者や専門家とともに語りつくした対談集です。

 

1月24日

 

森田るい『われらコンタクティ』(講談社)17/11/1 Kindle版

漫画大賞2018ノミネート12作品の中に選ばれていた一つですが、1巻ものなので気楽に購入できました。かつていっしょにUFOを見たことのある男女が再会し、町工場で開発したロケットを打ち上げるまでの紆余曲折を一気に描きあげます。

 

1月21日

 

花村ヤソ『アニメタ!』2〜4 Kindle版

これも期間限定無料の1巻を読み出したらはまった漫画です。『映像研には手を出すな!』とは対照的なリアル志向の丁寧なタッチによるアニメ制作現場のストーリーで、『エンピツ戦記』で舘野野仁美が描いたようなアニメーターの原画と動画の間の製作手順が細かく描かれます。ただ主人公の女の子が絵は未熟だが柔道2段で動体視力に優れ、その空間把握能力を評価されという設定はスポ根そのものだし、『重版出来!』の影響も感じられますね。『コネクト』もそうですが、そのうち無料でゲットした1巻は消えてしまうのです。

 

1月20日

 

清水潔『「南京事件」を調査せよ』Kindle版

文春の40%ポイント還元セールで買ってないタイトルの中で一番目を引いたのがこの作品。『殺人犯はそこにいる』で定評のあるノンフィクション作家清水潔が南京事件の真相に迫ります。『殺人犯はそこにいる』同様、生半可な覚悟では読んだり、レビューを書いたりできない作品です。

 

鈴木マナツ『コネクト』2〜4 Kindle版

コネクトはゲームやアニメの音楽をつくるティーンエージャーを描いた音楽漫画。音楽系のマンガは見つけると大体チェックするようにしています。作曲家の少年に、インスピレーションを与えた少女漫画家、ネットで有名となった女性歌手がみな近くの高校生という設定。無料の1巻でそこそこきれいな絵とDreams come true的なストーリー展開にはまって最新の4巻まで一気に買いました。

 

1月18日

 

高山真『羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界』(集英社新書)18/1/17

言葉にしづらいフィギュアスケートの世界を、羽生ら現在のトップスケーターを中心にわかりやすく解説した話題の書です。アクセル、ルッツ、フリップ、トウループ、サルコーって一体どこが違うの?フライイングキャメルスピンって何がフライングなの?といった誰もが抱く素朴な疑問から、演技構成点の複雑なスコアの世界まで、目から鱗が落ちまくりの一冊です。

 

恩田陸、瀬名秀明、小路幸也、宗田理、坂口恭平ほか『2030年の旅』(中公文庫)17/10/25

8人の人気作家が十数年後の未来を描いたアンソロジーです。坂口恭平をカバーするために買いました。坂口恭平は小説ではなく、エッセイを寄せています。収録作品は以下のとおり。

・恩田陸「逍遥」・瀬名秀明「144C」・小路幸也「里帰りはUFOで」・支倉凍砂「AI情表現」・山内マリコ「五十歳」・宗田理「神さまがやってきた」・喜多喜久「革命のメソッドーーー2030年のMr.キュリー」・坂口恭平「自殺者ゼロの国」(エッセイ)

 

ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン『青色本』(ちくま学芸文庫)Kindle版

スラヴォイ・ジジェク『イデオロギーの崇高な対象』(河出文庫)Kindle版

ふだんあまりセール対象にならない哲学・思想書を、この日までの【20%ポイント還元】第四回 チチカカコヘ 6社編集長が本気で推す「教養はチカラだ!」フェア(1/18まで)チチカカコヘで購入。ウィトゲンシュタインの『青色本』は、青い表紙で綴じられていたためにこう呼ばれていますが、『論理哲学論考』以降のターニングポイントとなった講義録。「語の意味とは何か」という根源的な問いから始まります。スラヴォイ・ジジェクは、耽読したドゥルーズやデリダとは異なり、学生時代に読まなかったせいか、独自の書き方になじめないでいたので、最初の主著であるラカン論から攻略することにしました。解説に映画や小説を多用するのは、この頃からの傾向ですね。

 

1月16日

 

大童澄瞳(おおわらすみと)『映像研には手を出すな! 1』Kindle版 17/1/12

大童澄瞳『映像研には手を出すな! 2』Kindle版 17/9/12

『映像研には手を出すな!』は絶賛の噂が広がり、品切れの紙バージョンはプレミアムがつくまでの人気作(まもなく補充されるのであわてることはなさそう)。読んであっと驚く天才ぶりです。アニメーションの志向の漫画家であるために、ダンジョン的な空間造形には卓越したセンスを持っています。キャラ立ちする登場人物たち、毎回学園祭のノリの楽しいストーリー展開も魅力的ですが、これまでのアニメ作成物とは異なり、現物サイズのロボットや乗り物を乗り回すぶっとんだ想像力の爆発ぶりは、リアルさを追う余り生真面目になりすぎた漫画界に、漫画本来のカオス的な面白さを回復させてくれそう予感がします。2018年一押しの漫画と言ってもよいでしょう。

 

1月15日

 

狩撫麻礼、たなか亜希夫『迷走王ボーダー』1(上)、1(下)Kindle版

2018年1月5日に亡くなった狩撫麻礼(ひじかた憂峰、土屋ガロン)の代表作の一つ(1巻は上下各99円となっていました)。ツイッターのTLが狩撫麻礼のネタで盛り上がっていたので、購入してみました。大陸放浪時に出会い、同じアパートで生活する蜂須賀と久保田、それに浪人生の木村を中心に、金にも、暴力にも、権力にも屈することのない破天荒な男たちの活躍を描く痛快作です。服装にも無頓着なこういう無頼派が活躍するドラマは、バブル崩壊前の80年代までが限度でしたね。

 

1月14日

 

桐木憲一『金沢シャッターガール』(竹書房)18/1/11

『東京シャッターガール』が話題の桐木憲一の新作。この『金沢シャッターガール』も映画化され同時公開。将来に悩む金沢在住の女子高生夏目花菜が、金沢城や兼六園、茶屋街や尾山神社、近江市場、21世紀美術館といった定番スポットを撮りながら、自分探しを行うという設定。これに、日本人を母に持つドイツ系ハーフの男の撮影旅行がクロスオーバー。ホラーをからめたり、ディープな金沢案内になっています。

 

谷本真由美『バカ格差』(ワニブックス)18/1/11

年々深刻になる日本における格差の実態を、最新のデータをもとに海外と比較しながら鋭い切り口で切り込むめいろま本最新刊です。地域や住宅の格差、年収と学歴の格差、男女の格差、正規非正規の格差など、日本の病根を取り出しながら、そこから抜け出すための打開策をさぐります。

 

1月12日

 

二ノ宮知子『七つ屋志のぶの宝石匣 6』(講談社)18/1/12

『七つ屋志のぶの宝石匣』は宝石の気がわかる質屋の娘志のぶと、志のぶの家に質草として預けられ、今は宝石商として働く顕定を中心とした宝石物語。ラブコメにミステリー要素がからみながら、物語がどこへ向かうのかいまだに不明だけど、つい引き込まれる面白さ。質屋の内部事情や宝石の知識も自然に身につきます。6巻では、酷使しすぎたせいか志のぶの超能力に陰りが出て…

 

羽賀翔一『今日のコルク(1)〜新人マンガ家のスケッチブック〜』(コルク)14/9/5

羽賀翔一『ケシゴムライフ』(コルク)14/11/7

羽賀翔一『昼間のパパは光ってる』(コルク)16/10/1

『漫画 君たちはどう生きるか』が100万部突破記念ということで、期間限定全点100円セールに釣られました。この人の絵は、どこか野暮ったい感じがして、苦手だったのですが、それが逆に『君たちはどう生きるか』ではプラスに働いている気がします。何にせよ先入観だけで判断するのはよくないので、これを機会に押さえることにしました。『今日のコルク』は羽賀翔一がFacebookに更新の絵日記、『ケシゴムライフ』は短編集、『昼間のパパは光ってる』はダムづくりの技師と家族の物語です。

 

1月9日

 

レーモン・ルーセル×坂口恭平 國分俊宏訳『(抄訳)アフリカの印象』(伽鹿舎)

本来2016年に出版されたものの、九州限定販売だったため、版元から取り寄せないと手に入りませんでしたが、このほどAmazonでも取り扱うようになったということでさっそく注文。この日到着しました。訳者によると、坂口恭平がルーセルの『アフリカの印象』にインスパイアされて描いたドローイングをもとに、その場面の抜粋の訳をつけて出版したいと企画だったようです。ドローイング以外に、ページの下にフランス語の原文が横書きで添えられています。ルーセル自身、アフリカへ行かずに、言葉遊びでこの本を書いたので(フーコーのいう「文学機械」)、それに坂口恭平が本を読んだだけでドローイングを描き加えたわけですから、原著以上にシュールな世紀の奇書になっています。塗り絵するのも楽しそうなので、ついもう一冊ほしくなります。

 

1月8日

 

安富歩『超訳論語』 Kindle版

安富歩『老子の教え あるがままに生きる』Kindle版

ともにディスカヴァー・トゥエンティワン書籍キャンペーンで50%OFFになり値ごろ感が出てきたので購入。『超訳論語』は支配階級に好都合なイデオロギーとしての『論語』を学問を学ぶ者の倫理に読みかえながら大胆な価値観の転換をはかっています。『老子の教え』は、言語による思考の支配の彼方をめざす自然主義哲学として、これまでの老子観を一歩進めたものです。いずれも1、2時間もあれば読めるものですが、既成概念に縛られた考えから解放され、すっきりとした気分になれる本です。

 

1月6日

 

手塚治虫『手塚治虫のマンガの描き方』Kindle版

1月のKindle月替わりセールの中に99円で入っていたので、購入。以前、紙の本を購入した記憶があるけれど、あの本はいったいどこへ行ったんでしょう。内容もまるで思い出すことができません。

 

1月5日

 

田中圭一『ヤング田中K一』Kindle版

ギャグマンガフェア(〜1/18)の中に270円で入っていたので、購入。おもちゃメーカーに入社し、日々おもちゃの販売に奮闘する若き日の田中圭一の姿を、手塚タッチで描いた作品です。紙の本が出てから12年になるので、今とは若干キャラクターの絵柄も違いますね。

 

1月4日

 

ONE,村田雄介『ワンパンマン 15』Kindle版 

この日ようやく配信となった電子版。12巻あたりまで一気読みできた勢いが、ここにきてひねりを入れようとしてやや停滞気味です。『ワンパンマン』の面白さって、強そうなヒーローの登場、それが強い悪役の出現の前に玉砕、その悪党をワンパンマンがワンパンチで粉砕という単純さにあるんですよね。

 

以下3冊は紙の書籍

 

那須川天心『覚醒』(クラーケン)17/12/06

キックボクシングで、そしてMMA(総合格闘技)で、圧倒的な強さを見せる十代のファイター、「神童」那須川天心の初の著書です。那須川自らが語るこれまでの格闘技人生と、プロデビューしてから過去の戦いすべて、さらに両親や友人、指導者たちが見た那須川像を立体的に構成した一冊となっています。那須川の強さの秘密がクリアに見えてきます。

 

はらぺこグリズリー『世界一美味しい煮卵の作り方 〜家メシ食堂 ひとりぶん100レシピ〜』(光文社新書)17/02/05

入手困難な食材も、面倒なステップも省いて、どこまで美味しい料理を作れるかというコンセプトの手抜き料理本。100の料理がそれぞれ1、2pに収められて、数分でできるものも多いです。すぐにでも料理のバリエーションが増えそうです。

 

中沢新一『アースダイバー 東京の聖地』(講談社)17/12/26

『東京アースダイバー』『大阪アースダイバー』につぐ第三作は、現実に焦点を合わせ、築地市場と明治神宮という二つの場所がつくり上げられた経緯からその現代的意義を掘り下げます。

 

以下は、セール対象の駆け込み購入です。

 

(光文社キャンペーン)

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』1〜4(光文社古典新訳文庫)

古典新訳文庫80タイトルが50%OFFとなっていたので、以前からほしかった『カラマーゾフの兄弟』を揃えることに。『カラマーゾフの兄弟』は実は5巻あるのですが、5巻目はエピローグ別巻となっているので、4まで読めたら後でもいいかという感じです。

 

フローベール『感情教育』上、下(光文社古典新訳文庫)

『感情教育』は、学生時代に岩波文庫版で読みましたが、美しい文体の恋愛小説です。大事なことは何も起こらないと言われますが、もう一度別の訳で読みたくなりました。

 

サン=テグジュペリ『夜間飛行』(光文社古典新訳文庫)

『人間の大地』も『夜間飛行』も好きな作品です。『夜間飛行』の方が短く、その分安かったのでという単純な理由です。

 

遠藤秀紀『人体 失敗の進化史』(光文社新書)2006/06/20

読んでないセール対象本の中では、レビューの評価も高く、なんとなく名著の予感がしたので購入しました。

 

(ビジネス本フェア)

読書猿『アイデア大全』(フォレスト出版)2017/02/01

これもKindle版が半額になっていたので、駆け込みで購入。『勉強の哲学』の千葉雅也さんも執筆時に参考にしたとか。いろいろとアイデアの出し方がカタログ的に並んでいて、重宝しそうな本です。

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