つぶやきコミューン

立場なきラディカリズム、ツイッターと書物とアートと音楽とリアルをつなぐ幻想の共同体
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著者別索引コミック編1【ア〜ト】 著者別索引コミック編2【ナ〜ワ】

小説
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「ホワイトラブ」1
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供屮據璽僉璽螢譟璽轡腑鵝1, 2, 34, 5,  6, 7,  8,  9,  10,11-1213-14, 15, 16-17,  18,19
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メディア

『情熱大陸 #978 「科学者・落合陽一」』スーパーダイジェスト

 

Magazine Watch

NewsPicks Magazine summer 2018 vol.1

 

今月買った本 

2017年12月 2018年1月  2018年2月  2018年3月  2018年4月  2018年5月 

2018年6月   2018年7月  2018年8月

 

Book Review

679.関根虎洸『遊郭に泊まる』 NEW!

678.荒木飛呂彦『岸辺露伴は動かない 2』

677.坂口恭平『家の中で迷子』

676.ヤマザキマリ×とり・みき『プリニウス察

675.落合陽一『デジタルネイチャー』(前編)  

      落合陽一『デジタルネイチャー』(後編) 

674.大童澄瞳『映像研には手を出すな!3』

673.宮田珠己『東京近郊スペクタクルさんぽ』

672.出水ぽすか・白井カイウ『約束のネバーランド』1〜9 

671. OCHABI Institute『伝わる絵の描き方 ロジカルデッサンの技法』 

670.土屋敦『男のチャーハン道』
669.岸政彦『はじめての沖縄』

668.荒川弘、田中芳樹『アルスラーン戦記 9』

667.高野秀行『間違う力』

666.三部けい『夢で見たあの子のために 2』

665.クロスケ『巨大仏巡礼』 

664.ロバート・キンセル、マーニー・ぺイヴァン『YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち』

663.東野圭吾『魔力の胎動』

662.諌山創『進撃の巨人 25』 

651.堀江貴文『堀江貴文の本はなぜすべてがベストセラーになるのか?』

650.堀江貴文・落合陽一『10年後の仕事図鑑』

649.猪ノ谷言葉『ランウェイで笑って』1〜4  
648.辻田真佐憲『空気の検閲 大日本帝国の表現規制』 
647.中沢新一『アースダイバー 東京の聖地』

646.畠山理仁『黙殺 報じられない”無頼系独立候補”たちの戦い』

645.あだち充『MIX 12』 

474.ラルフ・ミレ―ブス『バイコヌール宇宙基地の廃墟』
473.田中圭一『Gのサムライ』
472.宮城公博『外道クライマー』 
471.山本崇一郎『からかい上手の高木さん』1〜3
470.速水健朗『東京どこに住む?住所格差と人生格差』 
469.勝間和代『2週間で人生を取り戻す!勝間式汚部屋脱出プログラム』 
468.隈研吾『建築家、走る』
467.三部けい『僕だけがいない街 8』 
466.福島香織『SEALsと東アジア若者デモってなんだ!』 
465.ドリヤス工場『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』
464.松井優征・佐藤オオキ『ひらめき教室』 
463.清野とおる『増補改訂版 東京都北区赤羽 1』 
462.佐々木敦『ニッポンの文学』 
461.桜木武史『シリア 戦場からの声』 
460.平野啓一郎『マチネの終わりに』 
456.町田康『リフォームの爆発』
455.諌山創『進撃の巨人 19』
454.安田寛『バイエルの謎』 
453.松井優征『暗殺教室 19』 
452.万城目学『バベル九朔』 
451.二ノ宮知子『87CLOCKERS 8』 
450.佐々木敦『例外小説論』
449.落合陽一『これからの世界をつくる仲間たちへ』
PART2 魔法使いになる方法
448.甲斐谷忍『無敵の人 機 
447.堀江貴文責任編集『堀江貴文という生き方』
446.瀬谷ルミ子『職業は武装解除』
445.万城目学『ザ・万字固め』 
444.宮崎克×あだちつよし『怪奇まんが道』 
443.大崎善生『聖の青春』 
442.松井優征『暗殺教室 18』 
441.堀江貴文『本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方』
440.森山高至『非常識な建築業界 「どや建築」という病』 
439.森博嗣『作家の収支』
438.安田菜津記『それでも、海へ』
437.岡本亮輔『聖地巡礼 世界遺産からアニメの舞台まで』 
436.桐木憲一『東京シャッターガール』(1〜3)
435.松浦儀実・渡辺保裕『神様がくれた背番号』(1〜3)
434.落合陽一『魔法の世紀』
433.斎藤孝『語彙力こそが教養である』
432.三部けい『僕だけがいない街 7』
431.桜木紫乃『ホテルローヤル』
430.危険地報道を考えるジャーナリストの会編『ジャーナリストはなぜ戦場」へ行くのか』
429.高野秀行・清水克行『世界の辺境とハードボイルド室町時代』 
428.米澤穂信『王とサーカス』
427.岩井俊二『リップヴァンウィンクルの花嫁』 
426.和合亮一『詩の寺子屋』  
425.江川紹子『もか吉、ボランティア犬になる。』
424.松井優征『暗殺教室 17』 
423.米澤穂信『真実の10メートル手前』
422.一色まこと『ピアノの森 26』
421.ユリイカ 1月臨時増刊号 総特集 坂口恭平 
420.あだち充『MIX 8』
419.ヤマザキマリ『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』
418.村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?』 
417.東野圭吾『人魚の眠る家』
416.水木しげる『私はゲゲゲ』 
415.西尾維新『掟上今日子の備忘録』 
414.舘野仁美『エンピツ戦記』 
413.岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』 
412.増田俊也・一丸『七帝柔道記 2』 
411.ウエルベック『服従』
410.國分功一郎監修『ジル・ドゥルーズの「アベセデール」』
         『ジル・ドゥルーズの「アベセデール」』2(A-F) 
409.二ノ宮知子『七つ屋しのぶの宝石匣 2』
408.島田裕巳・中田考『世界はこのままイスラーム化するのか』
407.小林よしのり・宮台真司・東浩紀『戦争する国の道徳』 
406.伊坂幸太郎『陽気なギャングは三つ数えろ』
405.和夏弘雨×碧海景『火葬場のない町に鐘が鳴る時 3』
404.出口治明『人生を面白くする本物の教養』 
403.保坂和志・小沢さかえ『チャーちゃん』
402.朝井リョウ『武道館』
401.森田真生『数学する身体』
400.吉本ばなな『ふなふな船橋』
      吉本ばなな『ふなふな船橋』PART2(固有名詞辞典)
399.上杉隆『悪いのは誰だ!新国立競技場』
398.北条司『エンジェル・ハート 2ndシーズン 12』
397.小橋めぐみ『恋読 本に恋した2年9ヶ月』
396.会田誠『美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか』
395.飲茶『14歳からの哲学入門』
394.板垣恵介『刃牙道 8』
393.星野智幸『呪文』
392.辻田真佐憲『たのしいプロパガンダ』
391.松井優征『暗殺教室 16』
390.坂口恭平『家族の哲学』  
389.石川美子『ロラン・バルト』 
388.羽海野チカ『3月のライオン 11』 
387.村上春樹『職業としての小説家』
386.羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』 
385.二ノ宮知子『87CLOCKERS 7』
384.古市憲寿『保育園義務教育化』 
383.ヤマザキマリ×とり・みき『プリニウス 掘 
382.又吉直樹『東京百景』
 PART2(地名辞典)
381.ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』
380.畑中章宏『『日本残酷物語』を読む』
379.村上春樹『村上さんのところ』 
PART2(人名・作品名辞典)
378.辻田真佐憲『ふしぎな君が代』
377.三部けい『僕だけがいない街 6』
376.藤沢数希『ぼくは愛を証明しようと思う。』 
375.坂口恭平『幸福な絶望』
PART2(地名索引) 
PART3(人名索引) 
   PART4 (書名索引) 
PART5 (音楽・映画索引)
坂口恭平の熊本ーそれからー NEW!
374.板垣恵介『刃牙道 6』 
373.堤未果『沈みゆく大国 アメリカ <逃げ切れ!日本の医療>』
372.五十嵐泰正・開沼博編『常磐線中心主義』
371.松井優征『暗殺教室 15』
370.伊坂幸太郎『ジャイロスコープ』
369.岸政彦『断片的なものの社会学』
368.吉田修一『森は知っている』
367.甲野義紀『今までにない職業をつくる』
366.増田俊也編『肉体の鎮魂歌』
365.和夏弘雨『火葬場のない町に鐘が鳴る時』1、2
364.伊坂幸太郎『火星に住むつもりかい?』
363.北条かや『整形した女は幸せになっているのか』
362.津田大介×西きょうじ『越境へ。』
361.又吉直樹『第二図書係補佐』
360.茂木健一郎『東京藝大物語』
359.あだち充『MIX 7』 
358.堀江貴文『あえて、仕事から外れる。逆転の仕事論』
357.吉川浩満『理不尽な進化』
356.椹木野衣『アウトサイダー・アート入門』
355.松井優征『暗殺教室 14』 
354.黒柳徹子『トットひとり』 
353.東野圭吾『ラプラスの魔女』 
352.福島香織『本当は日本が大好きな中国人』
351.田中圭一『神罰 1.1』 
350.國分功一郎『近代政治哲学』 
349.米澤穂信『満願』
348.海堂尊『スリジエセンター1991』 
347.増田俊也×一丸『七帝柔道記 1』
346.千葉雅也監修『哲子の部屋掘
345.高橋源一郎『デビュー作を書くための超「小説」教室』
344.國分功一郎監修『哲子の部屋 供  
343.荒木飛呂彦『荒木飛呂彦の漫画術』
342.國分功一郎監修『哲子の部屋 機
341.柴崎友香『パノララ』
340.北条司『エンジェル・ハート 2ndシーズン 10』 
339.常岡浩介『イスラム国とは何か』
338.ヤマザキマリ『国境のない生き方』
337.水道橋博士『藝人春秋』(文春文庫版)  
336.大塚明夫『声優魂』
335.國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(1)
                   『暇と退屈の倫理学』(2)
334.鈴木みそ『ナナのリテラシー 1』 
332.又吉直樹『火花』
331.ニコ・ニコルソン『ニコ・ニコルソンのマンガ道場破り』
330.中森明夫『寂しさの力』
329.岩田健太郎『サルバルサン戦記』
328.橋本幸士『超ひも理論をパパに習ってみた』
327.福島香織『中国複合汚染の正体』  
326.猪瀬直樹『救出 3.11気仙沼公民館に取り残された446人』
325.谷本真由美×ポール・ロブソン『添削!日本人の英語 PART2
324.坂口恭平『ズームイン、服!』
323.荒川弘×田中芳樹『アルスラーン戦記 3』
322.内藤正典『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』
321.ヤマザキマリ×とり・みき『プリニウス 供
320.苫米地英人『『21世紀の資本論』の問題点』 
319.阿部和重・伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』
318.三部けい『僕だけがいない街 5』
317.増田俊也『VTJ前夜の中井祐樹』
316.水野敬也『夢をかなえるゾウ 3』
315.岩崎夏海『『もしドラ』はなぜ売れたのか? 
314.フランソワ・ヌーデルマン『ピアノを弾く哲学者』  
313.あだち充『MIX 6』
312.石田衣良『余命一年のスタリオン』
311.諌山創『進撃の巨人 15』 
310.アレックス・カー『ニッポン景観論』 
309.浦沢直樹・長崎尚志『MASTERキートン Reマスター』  
308.倉方俊輔・柴崎友香『大阪建築 みる・あるく・かたる』
307.坂口恭平『隅田川のエジソン』 
306.貞本義行『新世紀エヴァンゲリオン 14』  
305.堀江貴文&テリヤキ編集部『ばかウマ』 
304.板垣恵介『刃牙道 3』
303.岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!』
302.二ノ宮知子『七つ屋志のぶの宝石匣 1』 
301.辨野義巳『大便通』
300.船曳健夫『旅する知』 
299.柄谷行人『遊動論 柳田国男と山人』 
298.増田俊也・原田久仁信『KIMURA 4』 

295.唐橋ユミ『わたしの空気のつくりかた』

294.海堂尊『アクアマリンの神殿』 
293.一色まこと『ピアノの森 25』 
292.辻田真佐憲『日本の軍歌』
291.平野啓一郎『「生命力」の行方』
290.川村元気『億男』
289.勝間和代『稼ぐ話力』 
288.ニック・ビルソン『ツイッター創業物語』
287.Jay.他『SHERLOCK ピンク色の研究』
286.松井優征『暗殺教室 11』
285.伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』
284.小山宙也『宇宙兄弟 24』 
283.瀬戸内寂聴・堀江貴文『死ぬってどういうことですか?』 
282.早野龍五・糸井重里『知ろうとすること。』 
281.中井祐樹『希望の格闘技』
280.万城目学『悟浄出立』 
279.北条司『エンジェル・ハート 2ndシーズン 9』 
278.坂口恭平『現実脱出論』
 
目次 | 11:04 | comments(1) | - | - |
関根虎洸 『遊郭に泊まる』

JUGEMテーマ:自分が読んだ本 文中敬称略

 

 

60年前の赤線禁止令でこの世から姿を消し、金沢の茶屋街や、飛田新地でかろうじて生きながらえていると思われた遊郭。その遊郭に泊まるというのはどういうことだろうか。実は遊郭建築の中には、そのまま旅館へ転業し、今日まで往時の姿をとどめているものも少なくない。このような宿を、転業旅館という。

 

関根虎洸『遊郭に泊まる』(新潮社)は、北は青森から南や山口まで全国に点在するこのような転業旅館を巡り歩き、宿泊する中で、その内外の姿や歴史をまとめた一冊である。

 

本書では3年の間に訪ねた14か所の転業旅館と、番外編として、遊郭から転業した飲食店や中国に残る転業旅館など、計20か所の元遊郭を収録している。p8

 

かつては遊郭であったという建物の出自を封印することも多かったが、今日では建築愛好家や外国人観光客などの固定客も増え、1〜2ヶ月先まで予約が埋まるほど転業旅館は人気が高くなっているため、ここで紹介された宿は堂々と利用することができる。

 

中でも圧巻は、番外として紹介されている、国指定登録有形文化財の飛田新地「鯛よし百番」の、安土桃山風の絢爛豪華な外観と内装である。京都太秦の映画村の遊郭街がいかにもみすぼらしく見えてしまう。このような建物が今日もそのままの姿をとどめているのは、奇跡としか言いようがない。

 

テレビで何度か扱われた、伊勢市の「麻吉旅館」の懸崖造りの五階建ての建築も素晴らしい。大きな高低差ある石段を二つの建物ではさみながら、渡り廊下でつないでいる。必要以上に手の込んだ木造建築の細部の質感が圧倒的なのである。緑青屋根の破風が重厚な京都五条の「宿や平岩」や、「本家三友」も訪ねてみたい建物の一つだ。

 

遊郭建築が魅力的なのは、それがかつて栄えた時代の記憶をとどめ、想像力の中でその歴史を解凍することができるからである。そして街の成り立ちを知る有力な手がかりとなる。経済人類学者栗本慎一郎の「光の都市、闇の都市」の理論で語ったように、遊郭は寺社仏閣とともに、いわば一種の異界として、闇の都市の側に位置していた。そして、官庁や商業地のある光の都市との間には、しばしば境となる川や水路が存在したのである。

 

大谷川に面して立つ京都府八幡市の「多津美旅館」や、生駒山宝山寺参道の旅館、水路沿いにある山口県萩市の「芳和荘」などは、建物だけでなく、そのロケーションによって、多くのことを語らずにはおかないだろう。

 

一連の遊郭建築の概観が目に焼きつくと、歩きながら、街を読みとく感覚が鋭くなる。本書で紹介されたよりもずっと多く、旅館へと転業せず、住宅や飲食店などとして街中にひっそりと生きながらえているかつての赤線、青線の建物が、まだまだ存在するのである。

 

観光目的の旅行なら、いたずらに高級で豪華なホテルや、旅館よりも、それ自体が歴史的文化財であるような旅館の方がずっと面白い。本書は、旅に新たなスタイルを加える一冊でもある。

 

関連ページ:

井上理津子『さいごの色街 飛田』

荒木飛呂彦『岸辺露伴は動かない 2』

JUGEMテーマ:自分が読んだ本 文中敬称略

 

 

荒木飛呂彦『岸辺露伴は動かない 2』は、『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する天才漫画家岸辺露伴を主人公としたスピンオフ作品の第二弾である。

 

『岸辺露伴は動かない 2』は、「望月家のお月見」「月曜日 天気・雨」「D・N・A」「ザ・ラン」の四作からなっている。岸部伴は、「ヘブンズ・ドア」というスタンド能力を持ち、人や生物の情報を本のように読み取ったり、新たに書き込んだりして、その行動に制限や変更を加えることができるのだ。この能力は『デスノート』に登場する死神の目や、デスノートに加えた記述で相手の死の直前の行動を操る能力に似ている。但し、岸辺露伴がヘブンズ・ドアの能力を使うのは、自分や周辺の人間の窮地から救ったり、依頼に応えたりするために限られる。

 

『ジョジョの奇妙な冒険』本編と比べての大きな長所は、超大作であるため複雑に入り組んだ人間関係を理解したり、ときに冗長な流れになることに付き合わないで済むこと。そしてに荒木飛呂彦自身の漫画家としての生活や、意識が多分に反映された作品であるということだ。たとえば、『岸辺露伴は動かない 1』の「富豪村」では、ムカつきながら描いたという女性編集者泉京香が登場する。そしてこんな追記を付け加えている。

 

名誉のために言っておきますが、モデルはぼくのまわりの編集部にはどこにも存在しません。本当です。怖くて言い訳しているのではありません。

 

『岸辺露伴は動かない 2』は、『岸辺露伴は動かない 1』にあった前振りの長さが少なく、どの物語もストレートにスタートする。そして、ゴールへと向けてどんどんと加速して、まっしぐらに進むスリリングな展開が特徴的だ。

 

「望月家のお月見」では、先祖代々全員が「中秋の名月」が命日であるという一家の一夜の物語である。家の主人は、この日の外出を禁じようとするが、予定のある子どもたちはその警告を無視しようとする。だが、小さなな出来事がピタゴラスイッチのような連鎖によって、重大な危機をつくりだす描写に、読者はただごとない雰囲気を感じ取ってしまうのだ。

 

「月曜日 天気・雨」では、駅でスマホを持った人が次々に露伴に向かって突進してくる。ハメルーンの笛吹き的な怖さがある。そしてプラットフォームが近づく。列車が迫り、五体がばらばらに…という『GANTZ』的な展開になるのだろうか。

 

「D・N・A」は、公園で出会った女性の娘の不可解な行動の謎がテーマ。三歳になる娘は、露伴に向かい「はちにんこ」と言った。

 

「ザ・ラン」では、トレーニングの鬼と化した俳優の卵と露伴が、ランニングマシーンで恐るべき競争を繰り広げることになる。

 

いずれの作品も、荒木ワールド全開しながら、短いページ数で、謎を解き明かしながら、エントロピーが最大化するところまで一気にバタフライ効果的な因果律にしたがって突っ走る。ジェットコースター感覚で楽しめる傑作揃いなのである。

 

 

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