つぶやきコミューン

立場なきラディカリズム、ツイッターと書物とアートと音楽とリアルをつなぐ幻想の共同体
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著者別索引コミック編1【ア〜ト】 著者別索引コミック編2【ナ〜ワ】

小説
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「ホワイトラブ」1
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供屮據璽僉璽螢譟璽轡腑鵝1, 2, 34, 5,  6, 7,  8,  9,  10,11-1213-14, 15, 16-17,  18,19
掘峺諺杪╋酋福1, 2, 3, 4, 5 6, 7, 8, 9,10,1112, 1314,15,16,17,18,19

 

メディア

『情熱大陸 #978 「科学者・落合陽一」』スーパーダイジェスト

 

今月買った本 

2017年12月 2018年1月  2018年2月

 

Book Review

646.畠山理仁『黙殺 報じられない”無頼系独立候補”たちの戦い』 NEW!

645.あだち充『MIX 12』

474.ラルフ・ミレ―ブス『バイコヌール宇宙基地の廃墟』
473.田中圭一『Gのサムライ』
472.宮城公博『外道クライマー』 
471.山本崇一郎『からかい上手の高木さん』1〜3
470.速水健朗『東京どこに住む?住所格差と人生格差』 
469.勝間和代『2週間で人生を取り戻す!勝間式汚部屋脱出プログラム』 
468.隈研吾『建築家、走る』
467.三部けい『僕だけがいない街 8』 
466.福島香織『SEALsと東アジア若者デモってなんだ!』 
465.ドリヤス工場『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』
464.松井優征・佐藤オオキ『ひらめき教室』 
463.清野とおる『増補改訂版 東京都北区赤羽 1』 
462.佐々木敦『ニッポンの文学』 
461.桜木武史『シリア 戦場からの声』 
460.平野啓一郎『マチネの終わりに』 
456.町田康『リフォームの爆発』
455.諌山創『進撃の巨人 19』
454.安田寛『バイエルの謎』 
453.松井優征『暗殺教室 19』 
452.万城目学『バベル九朔』 
451.二ノ宮知子『87CLOCKERS 8』 
450.佐々木敦『例外小説論』
449.落合陽一『これからの世界をつくる仲間たちへ』
PART2 魔法使いになる方法
448.甲斐谷忍『無敵の人 機 
447.堀江貴文責任編集『堀江貴文という生き方』
446.瀬谷ルミ子『職業は武装解除』
445.万城目学『ザ・万字固め』 
444.宮崎克×あだちつよし『怪奇まんが道』 
443.大崎善生『聖の青春』 
442.松井優征『暗殺教室 18』 
441.堀江貴文『本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方』
440.森山高至『非常識な建築業界 「どや建築」という病』 
439.森博嗣『作家の収支』
438.安田菜津記『それでも、海へ』
437.岡本亮輔『聖地巡礼 世界遺産からアニメの舞台まで』 
436.桐木憲一『東京シャッターガール』(1〜3)
435.松浦儀実・渡辺保裕『神様がくれた背番号』(1〜3)
434.落合陽一『魔法の世紀』
433.斎藤孝『語彙力こそが教養である』
432.三部けい『僕だけがいない街 7』
431.桜木紫乃『ホテルローヤル』
430.危険地報道を考えるジャーナリストの会編『ジャーナリストはなぜ戦場」へ行くのか』
429.高野秀行・清水克行『世界の辺境とハードボイルド室町時代』 
428.米澤穂信『王とサーカス』
427.岩井俊二『リップヴァンウィンクルの花嫁』 
426.和合亮一『詩の寺子屋』  
425.江川紹子『もか吉、ボランティア犬になる。』
424.松井優征『暗殺教室 17』 
423.米澤穂信『真実の10メートル手前』
422.一色まこと『ピアノの森 26』
421.ユリイカ 1月臨時増刊号 総特集 坂口恭平 
420.あだち充『MIX 8』
419.ヤマザキマリ『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』
418.村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?』 
417.東野圭吾『人魚の眠る家』
416.水木しげる『私はゲゲゲ』 
415.西尾維新『掟上今日子の備忘録』 
414.舘野仁美『エンピツ戦記』 
413.岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』 
412.増田俊也・一丸『七帝柔道記 2』 
411.ウエルベック『服従』
410.國分功一郎監修『ジル・ドゥルーズの「アベセデール」』
         『ジル・ドゥルーズの「アベセデール」』2(A-F) 
409.二ノ宮知子『七つ屋しのぶの宝石匣 2』
408.島田裕巳・中田考『世界はこのままイスラーム化するのか』
407.小林よしのり・宮台真司・東浩紀『戦争する国の道徳』 
406.伊坂幸太郎『陽気なギャングは三つ数えろ』
405.和夏弘雨×碧海景『火葬場のない町に鐘が鳴る時 3』
404.出口治明『人生を面白くする本物の教養』 
403.保坂和志・小沢さかえ『チャーちゃん』
402.朝井リョウ『武道館』
401.森田真生『数学する身体』
400.吉本ばなな『ふなふな船橋』
      吉本ばなな『ふなふな船橋』PART2(固有名詞辞典)
399.上杉隆『悪いのは誰だ!新国立競技場』
398.北条司『エンジェル・ハート 2ndシーズン 12』
397.小橋めぐみ『恋読 本に恋した2年9ヶ月』
396.会田誠『美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか』
395.飲茶『14歳からの哲学入門』
394.板垣恵介『刃牙道 8』
393.星野智幸『呪文』
392.辻田真佐憲『たのしいプロパガンダ』
391.松井優征『暗殺教室 16』
390.坂口恭平『家族の哲学』  
389.石川美子『ロラン・バルト』 
388.羽海野チカ『3月のライオン 11』 
387.村上春樹『職業としての小説家』
386.羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』 
385.二ノ宮知子『87CLOCKERS 7』
384.古市憲寿『保育園義務教育化』 
383.ヤマザキマリ×とり・みき『プリニウス 掘 
382.又吉直樹『東京百景』
 PART2(地名辞典)
381.ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』
380.畑中章宏『『日本残酷物語』を読む』
379.村上春樹『村上さんのところ』 
PART2(人名・作品名辞典)
378.辻田真佐憲『ふしぎな君が代』
377.三部けい『僕だけがいない街 6』
376.藤沢数希『ぼくは愛を証明しようと思う。』 
375.坂口恭平『幸福な絶望』
PART2(地名索引) 
PART3(人名索引) 
   PART4 (書名索引) 
PART5 (音楽・映画索引)
坂口恭平の熊本ーそれからー NEW!
374.板垣恵介『刃牙道 6』 
373.堤未果『沈みゆく大国 アメリカ <逃げ切れ!日本の医療>』
372.五十嵐泰正・開沼博編『常磐線中心主義』
371.松井優征『暗殺教室 15』
370.伊坂幸太郎『ジャイロスコープ』
369.岸政彦『断片的なものの社会学』
368.吉田修一『森は知っている』
367.甲野義紀『今までにない職業をつくる』
366.増田俊也編『肉体の鎮魂歌』
365.和夏弘雨『火葬場のない町に鐘が鳴る時』1、2
364.伊坂幸太郎『火星に住むつもりかい?』
363.北条かや『整形した女は幸せになっているのか』
362.津田大介×西きょうじ『越境へ。』
361.又吉直樹『第二図書係補佐』
360.茂木健一郎『東京藝大物語』
359.あだち充『MIX 7』 
358.堀江貴文『あえて、仕事から外れる。逆転の仕事論』
357.吉川浩満『理不尽な進化』
356.椹木野衣『アウトサイダー・アート入門』
355.松井優征『暗殺教室 14』 
354.黒柳徹子『トットひとり』 
353.東野圭吾『ラプラスの魔女』 
352.福島香織『本当は日本が大好きな中国人』
351.田中圭一『神罰 1.1』 
350.國分功一郎『近代政治哲学』 
349.米澤穂信『満願』
348.海堂尊『スリジエセンター1991』 
347.増田俊也×一丸『七帝柔道記 1』
346.千葉雅也監修『哲子の部屋掘
345.高橋源一郎『デビュー作を書くための超「小説」教室』
344.國分功一郎監修『哲子の部屋 供  
343.荒木飛呂彦『荒木飛呂彦の漫画術』
342.國分功一郎監修『哲子の部屋 機
341.柴崎友香『パノララ』
340.北条司『エンジェル・ハート 2ndシーズン 10』 
339.常岡浩介『イスラム国とは何か』
338.ヤマザキマリ『国境のない生き方』
337.水道橋博士『藝人春秋』(文春文庫版)  
336.大塚明夫『声優魂』
335.國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(1)
                   『暇と退屈の倫理学』(2)
334.鈴木みそ『ナナのリテラシー 1』 
332.又吉直樹『火花』
331.ニコ・ニコルソン『ニコ・ニコルソンのマンガ道場破り』
330.中森明夫『寂しさの力』
329.岩田健太郎『サルバルサン戦記』
328.橋本幸士『超ひも理論をパパに習ってみた』
327.福島香織『中国複合汚染の正体』  
326.猪瀬直樹『救出 3.11気仙沼公民館に取り残された446人』
325.谷本真由美×ポール・ロブソン『添削!日本人の英語 PART2
324.坂口恭平『ズームイン、服!』
323.荒川弘×田中芳樹『アルスラーン戦記 3』
322.内藤正典『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』
321.ヤマザキマリ×とり・みき『プリニウス 供
320.苫米地英人『『21世紀の資本論』の問題点』 
319.阿部和重・伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』
318.三部けい『僕だけがいない街 5』
317.増田俊也『VTJ前夜の中井祐樹』
316.水野敬也『夢をかなえるゾウ 3』
315.岩崎夏海『『もしドラ』はなぜ売れたのか? 
314.フランソワ・ヌーデルマン『ピアノを弾く哲学者』  
313.あだち充『MIX 6』
312.石田衣良『余命一年のスタリオン』
311.諌山創『進撃の巨人 15』 
310.アレックス・カー『ニッポン景観論』 
309.浦沢直樹・長崎尚志『MASTERキートン Reマスター』  
308.倉方俊輔・柴崎友香『大阪建築 みる・あるく・かたる』
307.坂口恭平『隅田川のエジソン』 
306.貞本義行『新世紀エヴァンゲリオン 14』  
305.堀江貴文&テリヤキ編集部『ばかウマ』 
304.板垣恵介『刃牙道 3』
303.岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!』
302.二ノ宮知子『七つ屋志のぶの宝石匣 1』 
301.辨野義巳『大便通』
300.船曳健夫『旅する知』 
299.柄谷行人『遊動論 柳田国男と山人』 
298.増田俊也・原田久仁信『KIMURA 4』 

295.唐橋ユミ『わたしの空気のつくりかた』

294.海堂尊『アクアマリンの神殿』 
293.一色まこと『ピアノの森 25』 
292.辻田真佐憲『日本の軍歌』
291.平野啓一郎『「生命力」の行方』
290.川村元気『億男』
289.勝間和代『稼ぐ話力』 
288.ニック・ビルソン『ツイッター創業物語』
287.Jay.他『SHERLOCK ピンク色の研究』
286.松井優征『暗殺教室 11』
285.伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』
284.小山宙也『宇宙兄弟 24』 
283.瀬戸内寂聴・堀江貴文『死ぬってどういうことですか?』 
282.早野龍五・糸井重里『知ろうとすること。』 
281.中井祐樹『希望の格闘技』
280.万城目学『悟浄出立』 
279.北条司『エンジェル・ハート 2ndシーズン 9』 
278.坂口恭平『現実脱出論』
 
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KADOKAWA「春間近2000タイトル50%OFFフェア(〜3/8)」まとめ

3月8日までの期間限定でKADOKAWAの2000タイトルKindle版が50%OFFとなっています。

 

春間近!2000タイトル50%OFFフェア (〜3/8)

 

今回のセールはビジネス書や小説が中心で、コミックは含まれていないようです。

 

めぼしいタイトルをピックアップしてみました。

 

雑誌(34)

『ダ・ヴィンチ 』『レタスクラブ』『3分間クッキング』など


新書

 

角川新書

 

角川SSC新書(31)

 

メディアファクトリー新書(94)

 

角川EPUB選書(12)

 

小説

 

紗倉まな『最低。』

紗倉まな『凹凸』

 

新海誠『小説 君の名は。』

新海誠『小説 言の葉の庭』

新海誠『小説 秒速5センチメートル』

大場惑、新海誠『小説 ほしのこえ』

あきさかあさひ、新海誠『小説 星を追う子ども』

 

神山健治『小説 ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』

 

角川文庫(33) 

 

コミックエッセイ(19)

 

カマタミワ『一人暮らしも極まれり 一人暮らしもプロの域』

さーたり『腐女医の医者たち! 外科医でオタクで、3人子育て大変だ!編』

蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語』

 

「10時間でざっと学べる」シリーズ

 

阿部誠『大学4年間のマーケティングが10時間でざっと学べる』

植田和男『大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる』

倉田博史『大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる』

貫成人『大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる』

 

ビジネス・教養書

 

イケダハヤト『武器としての書く技術』

石川大雅『できないことがなくなる技術』

岩佐十良『里山を創生する 「デザイン思考」』

上杉隆『オプエド 真実を知るための異論・反論・逆説』

梅原大吾『一日一つだけ強くなる』

遠藤保仁『「一瞬で決断できる」シンプル思考』

岡田斗司夫『大人の教養として知りたい すごすぎる日本のアニメ』

木部智之『複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸志向』

コトラー『コトラーとマーケティングの未来と日本』

斎藤孝『大人の語彙力大全』

ジェームズ・スキナー『寝ながら稼げる121の方法』

住田貴『仕事の「生産性」はドイツに学べ』

出口治明『座右の書 「貞観政要 中国古典に学ぶ「世界最強のリーダー論」』

苫米地英人『思考停止という病』

永谷研一『絶対に達成する技術』

成毛眞『この自伝・評伝がすごい!』

堀江貴文『面白い生き方をしたかったので仕方なくマンガを1000冊読んで考えた →そしたら人生観が変わった』

堀正岳『ライフハック大全』

松林弘治『プログラミングは最強のビジネススキルである』

矢野香『たった一人で人を動かす 最高の話し方』

和田秀樹『人生の9割は40代で決まる』

 

料理本(58)


植木俊治『盛りつけエブリディ』

なかしましほ『まいにちおやつ 初めてでも失敗しない51のレシピ』


ぱお『忙しい日のスピードごはん 帰って20分で3品作る』

Mizuki『材料2つde超簡単! Mizukiのやみつきおかず』

モモ母さん『家ごはんをおいしくするスプーン一杯の魔法』

畠山理仁『黙殺 報じられない”無頼系独立候補”たちの戦い』

JUGEMテーマ:自分が読んだ本  文中敬称略 ver.1.01

 

 

選挙に出馬するために同じ金額の供託金を払ったとしても、すべての候補者がマスメディアによって同じ扱いをされるわけではない。与野党を問わず政党や労組など、大きな後ろ立てのある候補者、タレントやスポーツ選手など知名度の高い候補者のみが、選択的にニュースで報じられ、他の候補者は「泡沫」としてただその氏名と顔写真が伝えられるのみである。

 

売れてなんぼの人気歌手のヒットチャートならそれもよいだろう。だが、税金を用いた公的な選挙においてそれが許されるのだろうか。何よりもおかしいのは、メディアが大きく伝えることによって、選挙の結果は大きく変わるのに、あたかもメディアに左右されない選挙結果があるかのように、新聞やテレビなど大手メディアは報じ続けることである。海外のメディアのように、形式的になってもよいから、法の下での平等、機会均均等を一貫すべきではないのか。

 

このような問題意識のもとで書かれたのが、フリーランスライター畠山理仁『黙殺 報じられない”無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社)である。

 

冒頭を飾る候補者は、エキセントリックなパフォーマンスで定評のあるマック赤坂、本名戸並誠。その正体は、京大農学部卒、伊藤忠出身の起業家であり、レアアースでは年商50億をあげたこともあれば、東日本大震災で億単位の寄付をしたこともある。最初は真面目に普通の選挙演説を行ったが、結果は惨憺たるもの。何とか多くの人間に振り向いてもらおうと現在のパフォーマンス路線へとたどりついた。

 

マック赤坂の行くところ、つねに波乱あり。取材にあたる著者も油断は禁物だ。股間にバナナをあてて、10度20度30度とやるのはまだかわいいもので、気を緩めるとパンツを下して一物を露出しかねない。都庁前でのことだった。

 

マックは私の姿を見つけると、マイクを通して声はかけないものの、明らかに私のカメラを意識して踊った。

「参議院選挙に立候補しているマック赤坂です。政治家に隠しことはいけません。そして、私は隠すことは何もありません!」

  マックがカメラの方を向いたので、嫌な予感がした。

  そしてその予感はすぐに的中した。マックはこの言葉に続き、大きな声で叫びながら、勢いよくパンツの股間脇部分を斜めにぐいっと引っぱり、股間のものを出したのだ。p37

 

NHKの政見放送の収録でも同じ行為を行おうとしたが、プロデューサーが美人の女性だったために、実行できなかったという。

 

  マックはひどく後悔していた。途中までは本気で出すつもりだったのに土壇場でひるんでしまったことを。p33

 

マックのパフォーマンスを描く著者の筆致は冴え渡っている。前著『記者会見ゲリラ戦記』やtwitterなどで著者の文章は読み慣れていても、本書を開くまではこれほどまでに文章が上手い人とは思わなかった。本書の冒頭は、書店で立ち読みしていても、思わず唸り、レジまで持ってゆきたくなるほど魅力的である。

 

 男は今日も踊っていた。

 1日に300万人以上が利用する首都・東京のターミナル駅、渋谷。JR、京王、東急、東京メトロの4社9路線が乗り入れる駅前の広場には、誰もが知っている待ち合わせの名所・忠犬ハチ公像がある。多くの人が思い思いに誰かを待つこの場所で、男は今日も一人で踊っていた。

 男は特定の「誰か」を待っているわけではない。目の前を通り過ぎるすべての人の意識が、自分に集まるのを待っていた。男の両手には夜でも多くの人の目を引けるよう、工事現場の交通誘導員が使う赤い誘導灯が握られていた。

 おれを見ろ―――。

 誘導灯を振り回しながら踊る男の口角は、不自然なほど吊り上がっていた。傍目には笑っているようにも見える。しかし、通りすぎる人々を追いかける男の目は笑っていなかった。大きく見開かれた目は、必死に人々を追いかけ、強く叫んでいるように見えた。

p14

 

音声が全くないにもかかわらず、マック赤坂の存在感が鮮やかに浮かび上がる。卓越した表現力は、ちいさな表情の変化を逃さない鋭い観察眼に裏づけられている。


もちろん、取り上げられるのは マック赤坂だけではない。かつての労働大臣の山口敏夫や、サラ金に借金をして、都知事選への供託金を準備した関口安弘、立候補締め切りの午後5時0分に届けを出した内藤久遠、ステージ4の癌にもかかわらず出馬した金子博など、個性豊かな多くの候補者の様子が描かれる。理不尽さへの怒りも、燃え尽きることなき政治の情熱もマックと変わることはない。有力候補者と同じ行為を行いながらも、「泡沫候補」扱いされてしまい、票の数もなかなか伸びない。真面目に公約を訴えても、なかなか伝わらない。彼らの姿には、どこかしら哀愁が漂う。そして、その人間的な、あまりに人間的な姿に読者はつい微笑んでしまうのである。

 

 

著者畠山理仁は、フリーランスのライター。2010年には順調に扶桑社新書より『記者会見ゲリラ戦記』を出版、その後上杉隆を暫定代表とする自由報道協会に参加するが、上杉の代表辞任後、空中分解寸前の自由報道協会の残務処理を一身に引き受ける羽目となった。メルマガを出しても上杉ほどの読者数は得られず、資金的にも行き詰まる。その後数年間は単著の執筆もなく本の構成などの編集的な仕事や、さまざまなアルバイトを行うなど取材費の捻出にも苦労した。その一部は本文中にも書かれている。

 

  当時、私はライターの収入だけでは家族の生活が支えられず、アルバイトをするなどしてなんとか生活をやりくりしていた。金銭的に余裕がなかった私は、これ以上の調査を断念した。p172

 

どのような苦労をしようと、それが文章につながらなければライターとして意味はないが、畠山理仁の場合にはそれがよい形で文章に現れている。どこかで重なり合う著者と候補者の姿。こちらもゲリラなら、向こうもまたゲリラであり、無頼系独立候補の選挙活動の記録はまさにゲリラ戦記だ。『黙殺』の最大の魅力は、その共感力あふれる文章である。

 

特定の候補者への肩入れは、公正さを欠くゆえにできないという建前を貫こうとしながらも、忘れ物を選挙管理委員会に連絡したり、身寄りのない候補者について警察からの問い合わせの連絡を受けたりと、何かと世話をやく立場に置かれてしまう。非常識な候補者に迷惑をかけられながらも、付き合うことをやめず、忍耐強く取材を続ける著者のまなざしに温かいものを感じずにはいられないのだ。

 

ただ、個性豊かな人間像、小説より奇なりのドラマの連続という読み物としての面白さゆえに、これからどうすべきなのかという政治的な問題提起力が弱くなったようにも感じられる。選挙に関しては、有力候補とその他の候補で格差報道を行っている元凶の新聞社でさえ、本書に高評価の書評を載せてしまうところにこの国の自由さと同時に救いがたさもある。それによって新聞社の社説や、テレビ番組のキャスターが、ではわれわれだけでも、政党などの後ろ盾のある有力候補や著名人候補と「泡沫」と呼ばれてきた無名の候補を、徹底した公平さのもとで報じようではないかと宣言したり、記者クラブ全体に呼びかけたりような事態は、今のところ生じていない。

 

『黙殺』で開高健ノンフィクション賞を得た賞金も、著者はここ数年の取材のための借金の返済で消えてしまったという。『黙殺』は、メディアでも、書店でも大きく扱われるようになったが、理不尽な社会の仕組みに疑問を投げかけながら、読者に訴えかける中で少しずつ世の中を変えてゆく、そんなライター本来の役割を果たすことができるスタートラインに、畠山理仁はようやく立ったばかりなのである。

 

 Kindle版

 

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